FC2ブログ

おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

パートに対する相談が大幅増加

常々思うのですが、法律の規定の効果は大きいなと思います。
明文化されて書いてそこにある限り無視するわけにはいかない、万が一裁判の場などに行けば当然それを根拠に判断されますので、良識ある事業主さんだったら、法律やそれに基づき出される指針には従う努力をされることと思います。
そんな効果が如実に出たと思う調査が厚生労働省から先ごろ発表されました。
平成26年度分ですが、各都道府県労働局の雇用均等室に寄せられた相談結果をまとめたものです(
参照)が、雇用均等室では男女雇用機会均等法、育児・介護休業法、パートタイム労働法について担当して労使の相談にのっています。
この中で、先日小冊子を執筆したこともあり(
過去記事参照
)、また、相談件数が大幅に増えているパートタイム労働法関連の発表にちょっと注目しました。

相談件数が平成25年度4,646件だったのが18,207件と大幅に増えています。
事業主さんからの相談が圧倒的に多く全体の69.3%を占めています。件数も平成25年度が2,066件だったのが、12,610件と事業主さんからの相談件数がかなり増加しています。
これは、昨年改正されて今年4月から施行となっているパート労働法(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律)に対して、事業主さんたちもわかりにくいところがあるからなのだろうと思います。
件数が増えているのが、8条、9条の関係となっていますが、これはどちらも、正社員に比べて職務の内容や責任の程度、配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理であってはならないとする条文で、特に、9条では「正社員と同視できる短時間労働者」に対する差別禁止を規定しています。
今までは、この要件に期間の定めの有無があり、期間を定めて雇用していれば一応はそこの部分で正社員と違うとすることができたのですが、(契約の状況に応じて期間の定めがないと判断される場合もあり)その要件がなくなったために、事業主さんたちもわからない部分が多いと感じていらっしゃるのでしょう。

「正社員には残業もあるし、異動もある、クレーム処理もしているからパートとは業務内容や責任の度合いにはっきり違いがある」と言えれば、ひとまず待遇格差をつけることは認められますが、その格差の度合いがあまりにもバランスの欠いたものであれば法違反とされる可能性もあります。「不合理ではない」とする判断をどこでするかというのがなかなか難しいと思います。
私も、小冊子を書くにあたり法律条文や指針をひっくり返して読み直しましたが、読めば読むほどわかりにくいんですね。
法律条文なんてほとんど読まない事業主さんだったら、なおさらだと思います。
このあたりの考え方を初めて示したとされる裁判については過去記事にしました(
参照)
就業規則や社内的に違いを明確にしていても、実態としてそれが行われていなければ、実態の方を重要視して不合理な差別をしていると判断される場合もあるという事例でした。
事業主さんたちもこのあたりを多分気にしていらっしゃるのでしょう。
「不合理な差別をしてはならない」という点について、多分、今後じわじわと浸透していくのではないかと思います。

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する