FC2ブログ

おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

「多様な働き方」の闇の部分

当地は、梅雨明け前後から猛暑が続きましたが、本日は朝から雨がぱらつき暑さもひと段落という感じです。
近年、「多様な働き方」ということで職種や地域の限定正社員、短時間正社員などに加えて在宅でするIT関連の入力作業、その他テレワークと称して在宅で行う仕事などが注目されています。個別の家庭事情などにも対応できる「よい働き方」というイメージが喧伝されていますが、実は、そうでもない部分もあるんだなということを考えさせられました。
配信してもらっている労働政策研究・研修機構のメルマガで紹介されていた、ある労組系の研究所のリポートで、ある大学の先生が書いていらっしゃる記事です。無断転載禁止ということなので、細かく書くことは控えますが、企業が求める在宅ワークの中には、「仕事」という労働力の提供により報酬を得るだけではなく、労働を提供したことにより得る喜びとか意味とかを全く感じられないようなものがあるということです。
事例としては、意味のない数字の羅列のデータ入力や、検索ランキングを上げるためらしいキーワードを入れて文章を作るだけの仕事などです。

アルバイト感覚で割り切って副業としてやる分にはよいのでしょうが、「仕事」というのは本来、社会につながり自分の行為に意味があると感じられ、自分の成長も実感できないとなかなか満足感は得られないのではないでしょうか。
そこがすっぽり抜け落ちている「仕事」とはどうなんだろうということですね。
さらには、それで生活できるかというとそうではない。賃金は当然低く抑えられています。
「多様な働き方」の中には当然正社員以外の非正規雇用も含まれてきますが、非正規雇用の場合、フルタイムで働いても貧困状態になってしまうという実態も紹介されていました。
特に、諸外国と比べて日本の貧困の特徴は失業しているから貧困なのではないということです。
世帯内に就業者がいる貧困家庭の割合は、日本は82.7%です。イギリス、ドイツは33パーセント余り、フランス62%、アメリカ71.9%と比べても突出して高いことがわかります。

このリポートを書いた先生は、最低賃金水準として親一人、子一人が食べていけることを条件にするようにと提唱していらっしゃいます。
最低でも子ども一人をきちんと育てられる賃金ということですね。
親が二人いれば二人が働けば子ども二人が育てられます。
時給1,000円で年間3,000時間働けば年収300万円になり、ぎりぎり何とか貧困からは抜け出せても、1,800時間ぐらいが仕事と生活のバランスとしたら働き過ぎですし、子どもを育てるためには親子で触れ合う時間もたくさん必要です。
年間2,000時間としても時給換算で1500円は必要なんだなと思います。
ただし、リポートにもありましたが、住宅費用や教育費の無償などにより多少は緩和される(その分税金、社会保障費などは増えるが)とあり、そのあたりの公的補助をどこまで増やせるかもポイントです。
公的補助というのは所得の再分配のことですから、これは、もう政策の分野ですね。貧困はほっといてもどうにもならないはずです。非正規雇用者がこれだけ増えて、貧困も増えているのですから、早く何とかしてほしいと思います。

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する