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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

パートの研修の賃金は?

新聞の労働問題を扱うページの片隅の投書欄にパートタイマーの方の話が掲載されていました。
会社から命じられた研修を1日かけて受講して、遠方まで出かけて、拘束時間は10時間にも及んだのに、4時間分の時給しか支払われなかったそうです。4時間というのは研修を受けた時間です。
それはおかしいとみんな感じているけれど、会社に表だっては何も言わないそうです。
詳しいことは書かれていませんが、朝6時代に集合して遠方の工場に行ったとありますから、会社が仕立てたバスなどに乗って行ったのでしょうか。
みんなの不満は、拘束時間が長いのに4時間分の賃金は少ないということなのでしょう。
会社側の言い分は、研修を受けた時間分の賃金を支払えばいいんでしょということかなと思います。
まず、研修を受けた時間が労働時間として賃金が発生することについては、異論のないところだと思います。会社の一種の業務命令で行っていると思われるからです。会社もその分は払っています。

これが、全くの自由参加で行きたい人だけが行く、行かないからと言ってなんらかの不利益(人事考課に反映させるなど)を受けることは絶対ないということであれば、労働時間とはなりません。
この事例は、労働時間と認められる研修ということになります。
問題となっているのは、実際に研修を受けていない時間をどう考えるかです。
投書者は、拘束されているんだから賃金を支払ってほしいと思っているようです。
会社としては、この時間は、通勤時間もしくは日帰り出張の移動時間と考えているのかもしれません。
通勤時間と考えると、会社の提供する専用のマイクロバスなどの例と同様かなと思います。
もし、事故に遭った場合などは業務上の災害として労災の適用となるのですが、それは、事業主の提供する施設と同様な考え方で、施設管理の不備と同じように考えて労災が適用となります。
ですから、そのバスにいる時間が業務中で労働時間になるということではありません。
バスに乗っている間は、寝てようが本を読んでいようが、スマホでゲームをしていようが自由な時間であり、事業主の指揮下にあるとはいえないからです。

日帰り出張の移動時間と考えた場合も同じように考えて、場所的、時間的拘束はあるものの労働者が自由に使える時間として労働時間とはカウントしません。ただし、会社から命じられて物品などを運ぶ場合はその時間も業務中と考えて労働時間にカウントします。
そのように考えると、会社側が違法とは言えないと思います。
しかし、朝から夕方までの長い拘束時間に対して、出張手当や、4時間分ではなく、多少多目にして「日当」というような形で出してあげると、労働者側の不満も和らぐのかなとは思います。
手当や、日当については就業規則などで規定しておく必要もあります。
研修についても毎年行っているようですから、就業規則等で規定を作り、あらかじめ説明して理解を求めておくことも会社としてはやるべきことだと思います。

今年4月から改正施行のパートタイム労働法(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律)では、雇い入れ時に必ず説明すべき事項として「教育訓練」があります。
この事例のように研修については、雇い入れ時に労働者側の求めがなくても説明をする義務が事業主にはあります。
また、パートタイマーの雇用管理の相談にのる相談窓口も必ず設けて、雇い入れ時に文書で説明する義務もあります。パートタイマーが気軽に質問できるような窓口を設けておくと、不満がくすぶらないですむのではないでしょうか。
会社は、研修のやり方や賃金についてきちんと説明して、パートタイマーの不満を解消する努力をしていただきたいと思います。

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