FC2ブログ

おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

久しぶりに年金法の条文を読む

所属する研究会では、ご縁のある出版社のご依頼によりチームを作って毎月その出版社が発行する出版物の校閲をしています。
私もチームの一員なのですが、お客様向けに様々な情報をお伝えするようなもので、社労士の範疇のことについて、書かれたものに間違いはないか、文章におかしい点はないかなどについて校正作業をしています。
社会保険労務士の守備範囲は非常に広いですから、私もその作業の中で初めて知ることなどがごくたまにあり、勉強になります。
今月、10月から改正される年金関係のことが掲載されていました。
厚生年金保険の資格を得て同じ月に資格を喪失した場合、その後再就職しなければ、国民年金に加入することになり、自営業者等と同じ第1号被保険者となりますが、その月は厚生年金保険料と国民年金の両方を支払わなければならなかったのが、国民年金だけ支払えばよくなるということが掲載されていました。

業界では「同月得喪」などという言い方をしますが、厚生年金保険の保険料は月単位で資格を取得した月から資格を喪失した月の前月までということになっています。
ですから、会社等を退職した月は保険料の支払いは必要ないのです。(月末が退職日の場合を除く)
しかし、例外として同じ月に資格取得と喪失があった場合は保険料の支払いが必要です。
そこで年金の支払いは終わるかと思いきや、同じ月に再就職せず国民年金の第1号被保険者となると国民年金の支払いもしなければならなかったということなのですね。
給料計算事務や雇用保険、社会保険の手続き関係事務は特別の依頼のない限りやらない私は、恥ずかしながらそういうことになってるとは知りませんでした。
それを10月からは改め、国民年金だけ支払えばよいということになるのですね。

さて、今まで、何故そんなことになっていたのかと久しぶりに年金関係の六法を開き、条文を確認してみました。
まず、厚生年金保険法第19条に「被保険者期間」について規定があります。
被保険者期間とはすなわち保険料を納める期間です。
「被保険者の資格を取得した月から、資格を喪失した月の前月までを」算入するとあります。
月末に退職すると資格喪失日が翌月1日になるため、退職した月までが被保険者期間となり保険料が必要ですが、その他の場合は、退職した月は被保険者ではないため保険料の支払いが必要ないということになります。
しかし、例外的扱いとして第2項に「被保険者の資格を取得した月にその資格を喪失したときは、その月を一箇月として被保険者期間に算入する」とあり、「同月得喪」の場合には保険料が発生してしまうことになります。会社としては、保険料を徴収することになります。

では、国民年金の方はどうなっているのでしょう。
国民年金法第11条には「被保険者期間の計算」として前述の厚生年金保険法と同じ条文があります。
それに加えて第11条の2があり、同一の月において種別の変更があった月は、変更後の種別の被保険者とみなし、二回以上にわたり種別の変更のあったときは、最後の種別の被保険者とみなすという規定があります。
「種別」というのは、第1号、2号、3号で、会社等を退職してフリーになっている人は第2号被保険者から第1号被保険者となります。60歳未満で配偶者の被扶養者であれば第3号被保険者となります。

というわけで、会社を同月に入社して退社した人は、厚生年金保険法的には厚生年金の被保険者、国民年金法的には第1号被保険者となります。
被保険者期間は月単位ですから、国民年金を支払わなければ一月の未納期間が生れてしまう、厚生年金は支払っていますが、国民年金を支払わないと基礎年金部分がぬけてしまうという解釈なのかなと思いますが、第2号被保険者であれば、基礎年金部分は所属する厚生年金から拠出金として支払われているのではないかな?
二重払いでは? ということでそれをやめて、該当者の分は事業所に返還という扱いになるらしいということがようやく理解できました。
今まで、何故問題にならなかったんだろう。レアなケースだったからでしょうか。
年金はわからないことが多いです。社労士なのにダメですねー。
「最後の種別になる」というのは社労士試験勉強のときに覚えたなーと思い出しましたが・・・。

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する