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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

産前産後育児休業中の給料について考える(1)

17日に産後休業中とその後の育児のための短縮勤務をした女性が、出勤率を理由に賞与を支給されなかったため裁判を起こしたという判例を記事にしました。(参照)


その後の差し戻し審では産後休業中の休業については、その休んでいた日数分を差し引いて賞与を支給するという、一般的に納得できる結論になったようですが、(東京高裁判決 平成18.4.19東朋学園差戻控訴審事件)現在上告中でまだ最終的な結論は出ていないようです。


それについては、機会があったらまた書くとして、産前産後、育児休業等、出産、育児のための休業と給料について考えてみたいと思います。

賃金というのは働いた分について権利が生じますから、休業をとった場合賃金を払ってくださいとは言えないわけです。ですから、たいていの会社は有給休暇や一部の特別休暇を除き、休業した分の給料は無給とするというような給与規程があると思います。


ただ、病気やけがなど労働者に必ずしも責任があるとはいえない休業については、労働者災害補償保険、(業務上の疾病または通勤途中の事故等)健康保険(業務外の疾病)や雇用保険(育児介護給付等)などである程度の収入が補償されます。


そのうち出産、育児についての休業について考えてみましょう。ここでは、自営業の方は除き会社にお勤めの方を対象に考えます。


産前産後の休業については、労働基準法65条にある産前42日(双子以上は98日)産後56日について休業した日については、公休日も含めて1日につき標準報酬月額(だいたい月給の平均額と考えてください)を30で割った標準報酬日額の3分の2が支給されます。これは、健康保険からの給付です。


親切な事業主がいて、出産のための休業だから無給は気の毒だと何割かの給料を支払ったとすると、その分減額されて支給されてしまいますので、給料として支払っても労働者の取り分が増えるわけではありません。お祝い金というような任意恩恵的な支給をしてあげる方が、結果的に本人の収入が増えます。


その後育児休業をとったとします。要件にかなえば雇用保険から育児休業給付が受けられます。要件とは育児休業を開始した日前2年間に通算して12ヶ月以上雇用保険に加入していた人で子が1歳未満の人です。通算して12ヶ月ですから、別の事業主でもかまいません。短時間労働の方でも雇用保険に加入していれば資格があります。


給付額は休業前の賃金日額の30%です。この時賃金が休業前の80%以上ある人には支給されません。賃金が50%以下の人には30%全額支給、賃金が50%から80%の間の人は、賃金と支給額の合計が80%を超えないように支給額が調整されます。


ですから、賃金の50%を支給してあげれば合わせて80%の収入が保障されますが、まずそんな会社はないでしょう。たいていは就業規則で育児休業中は無給とするなんて書いてあると思います。働いてないんだから給料はなしということで問題はありません。会社も人件費をできるだけ減らしたいと考えているでしょうし。


私がもし就業規則を作るとしたら、せめて1~2割りぐらいの給料を支払ってあげたらどうかと提案したいところですが、まだチャンスがありません。


さて、4月から改正になった男女雇用機会均等法で間接差別禁止という規定が新たに導入されました。女性がとることが圧倒的に多い育児休業ですが、間接差別という視点から考えるとどうなのだろうということは、長くなったのでまた明日書きます。



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