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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

産前産後、育児休業中の給料について考える(2)

昨日の続きです。


先月、4月1日からの改正男女雇用機会均等法にある間接差別について記事にしました。(過去記事参照)


間接差別とは、見かけ上中立的な基準に見えて実は一方の性に著しく不利益となる、そしてそれについて合理的な理由がないという形を変えた差別の概念です。


過去記事で述べていますので、詳細はそちらを見ていただくとして、産前産後、育児休業について話を戻します。

産前産後、育児休業については「ノーワーク・ノーペイ」の原則により多くの事業所が無給としていると思います。健康保険の出産手当金や雇用保険の育児休業給付である程度の収入の補填はされますが、100%というわけにはいきません。実際に働いていないのですから、仕方ないということになるのでしょうが、その休業をとるのが、圧倒的に女性であるとなると、間接差別という視点ではどうなるのだろうと考えてみる余地はあると思います。


まず、出産に伴う産前産後休業というのは女性しかとりません。出産するのは女性だけだからです。その時に無給が当たり前となると女性は出産するごとに、同じような仕事、同じような能力を持った男性に比べその分の給料が減ることになります。もちろん厚生労働省令で間接差別となるものが三点限定列挙されていますので、それ以外は違法ではありません。


でも、厚生労働省のHPなどを見るとそれ以外でも訴訟になると、間接差別とされることがあるなどとわざわざ断っています。一応限定列挙してみたもののそれだけ守ればいいと誤解されると、間接差別そのものの理解が進まないと考えているようです。


育児休業についても、現状では圧倒的に女性がとりますからその間の給料を無給にすると男性との差がついてしまいます。事業主としては、それについての合理的な理由として「ノーワーク・ノーペイ」を持ち出すしかないと思いますが、女性であるがゆえにそれを甘受せざるを得ないとしたら、やはり間接差別という問題がからんでくると思います。


でも、それが「痛し痒し」なのは、それを間接差別と言ってしまうと育児は女性がするということを認めてしまうことにつながるのですね。


そう考えるとなかなか難しい問題となるのですが、せめて規定では育児休業は女性だけのものではなく、男性も大いに取得できるようにその間の給料について雇用保険の給付と合わせて8割になるように、5割りぐらいは出すぐらいでないと、合理性を立証できないのではないかなと思います。


今後「間接差別」に対する理解が進み、労働者側の権利意識が高まると出産、育児休業にからむ賃金の問題などが争点となることがあるのではないかなと感じています。


育児に関しては、休業しないで短時間勤務などに切り替えて働き続ける人に対しての収入減少の補填というものが何もありません。その辺もちょっと気になるところです。育児は個人的なことだし「ノーワーク・ノーペイ」の壁は厚いと思いますが、仕事をやめ育児専業を選んだ人も含めて、育児をする人に対して暖かい社会であってほしいと思います。


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コメント


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育児休業の保障の件ですが、育児休業に関しては、育児休業終了後6ヶ月を経過すれば育児休業者職場復帰給付金が10%貰えますので実質40%の保障となります。今年の10月からは育児休業者職場復帰給付金の支給率が20%になる予定なので実質50%の保障にはなります。
それにしても休業前の賃金の半分ですから厳しいですね。。

他の優遇措置は育児休業中の社会保険料の免除、3歳未満の子を持つ場合の厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例措置ぐらいなものでしょうか。
ただ少子化対策を打ち出しているだけあって少しずつですが育児休業者にとっては良くなってきていると私は感じています。

あとは事業主の配慮がどれだけされるかが問題です。
配慮がある事業主は1割ないし2割の賃金保障はしてもらえると思いますが、ほとんどの企業ではノーワーク・ノーペイを持ち出すでしょう。
確かに中小企業は体力が無い分休業中の賃金の保障をするのは現実として難しいところははあると思います。
育児休業者の代替要員を雇用したらとても休業者に賃金を支払うことは出来ないようでしょう。
社労士の立場からすると、事業主の経営面の事情も育児休業する労働者の生活面の事情も考慮しなければならないので難しい立場だと思います。


そこで鈴木さんに質問ですが、賃金保障を行っていない会社に対して鈴木さんならどのような方法で賃金保障してもらえるように交渉しますか?

卯年 | URL | 2007年04月24日(Tue)13:18 [EDIT]


卯年さん
おはようございます。

私は育休中はせめて1割か2割ぐらいは給料を出してほしいなという立場です。

ただ、個別の会社の経営状態や事業主の考え方、経営理念などによりその件を強く主張できる場合とそうでない場合があると思います。

自分の理想を実現するため何とか相手を説得する方法を考えるとすると、まず相手をよく知るということでしょうか。

相手の価値観や性格をしっかり見極めたうえで、思いっきり理想論を語るもよし、助成金を持ち出すもよし、社会保険料の負担が0になるという現実的なところから責めるもよし、答えはひとつではないと思います。

| URL | 2007年04月25日(Wed)10:32 [EDIT]


お返事ありがとうございました。

仰るとおり、臨機応変の対応となりますね。
なかなか自分の思うようにいかないところがまた楽しいですね。

卯年 | URL | 2007年04月25日(Wed)22:04 [EDIT]