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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

法律はじわじわ効いてくる?

自分の仕事の範疇の法律については、日々目配りをしています(のつもりです)。
それに関連する社会の動きなどにも敏感にならざるを得ません。
ちょっと前ですが、昨年の12月に医療法人で育児休業を3か月取得した男性看護士に対して、昇給を認めず、昇格試験も受けさせなかったことについて、違法との最高裁判決が出たと報道がありました。
この医療法人の事件発生当時(2010年9月~12月に育児休業取得)の就業規則では、育児休業を3か月以上取得した場合、翌年度の職能給を昇給させないとする規定があり、それに伴い昇格試験の受験資格も認めなかったもので、この男性は昇給と昇格の機会を奪われてしまいました。
当ブログでも度々書いていますが、育児休業を申し出たり、取得した労働者に対して解雇その他不利益な取り扱い(降格、減給(働かない時間に対する減給は除く)本人の望まない職種変更、嫌がらせ等)は禁止されています。(育児・介護休業法第10条)
労働者側はこれを根拠に訴えたものと思われます。

医療法人側は受けて立つ形だったのでしょうが、どう見ても「無理筋」で勝てそうにないと私なら考えるのですが、法人側の弁護士は就業規則があるので、労働者側はそれを承知して働いていたはずだと主張できると踏んだのでしょうか。
一審地裁では、昇格の機会を与えなかったことだけを違法として15万円の支払いを命じましたが、二審高裁は昇給させなかったことも違法として24万円の支払いを命じ、法人側の上告に対して最高裁が高裁判決を支持したと報道されています。
高裁では、育児休業を取得する者に無視できない経済的不利益を与え、取得を抑制させると当該就業規則を批判したそうです。
たまに誤解している事業主さんがいらっしゃいますが、就業規則に書いてあることが何でも会社のルールになるわけではありません。
法律に違反する内容は無効となり、法律が優先されます。ですから、労働法、民法等に目配りしながら就業規則を作成する必要があります。

というわけで、現在はこの医療法人も就業規則を改定して育児休業取得者に対して不利益な取り扱いはしていないそうです。
それにしても24万円の支払いのために、最高裁までいって時間もエネルギーも随分使ったと思いますが、双方ともに途中で和解などの道はなかったのかなと思います。
当事者だけにしかわからない何かがあったのかもしれませんが、この最高裁判決が出たことによって、育児休業取得者に対する不利益な取り扱いは確実に減っていくだろうと思います。
労働者側から訴えられた会社側が弁護士に相談した場合、最高裁の判例があることは大きいからです。
勝てないと思えばたいていの弁護士さんは動かないと思いますから。
このようにして、法律はじわじわと力を発揮して世の中に定着していくのだなと思いますが、声を上げる労働者がいるからこそとも言えます。
私も、「法律ではこうなってます」ということを事業主さんにお知らせするとともに、当ブログでも書いていきたいと思います。

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