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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

何故労働法は軽んじられるのだろう

昨年末に連合がブラック企業やブラックバイトについての電話相談事例などを公表しました。
事前の報道等の宣伝効果があったらしいとのことで、2日間で979件もの相談があったということです。
事例をみると、「毎日10時間~12時間の長時間労働を強いられるのに、残業代が支払われない」「有給休暇がとれない」「パワハラがひどい」「上司のセクハラを社長に相談したら、その上司は会社に必要な人だからあなたが辞めろと言われた」など、違法状態のオンパレードです。
もちろん、電話相談に先がけて行われたネット調査(労働者3000人が回答)では、約半数近くの人が自分の会社はブラック企業ではないとして会社を肯定的にとらえていますので、そのような違法状態の会社は少数派です。
連合の発表によると、自分の会社やアルバイト先がブラック企業であると答えたのは4人に一人だそうです。

それを多いとするか少ないとするかは、私としてはまあそんなものかなという気がします。
「企業のコンプライアンス(法令遵守)」という言葉が盛んに言われるようになったのは、ここ10年ぐらいでしょうか。言葉の持つ力は大きいと私は思っています。
事業主さんとお話ししていると、「法律はどうなっていますか?」「これは違法ですか?」というようなご質問を受けます。そういうところに関心を持ち守らなければいけないという認識を持つ事業主さんは多分増えているのだと思います。
しかし、「法律に触れないようにしてこちらにもいいようにやるやり方があるはずですよね。それをやっていただきたい」とあえてグレーゾーンを求めてくる事業主さんにもお会いしたことがあります。
そういう事業主さんとお付き合いしてもいいことはないだろうと、その会社はこちらからお取引をお断りしました。
そんなことを考えると一定割合でグレーゾーンにあえて身を置く、又はブラックの範囲に自ら平気で入っていく会社があるのだろうと思います。

この社会には様々な価値観を持つ人がいるし利害関係も複雑に交錯しています。ほっておけばあちこちで紛争が勃発するかもしれず、それを防ぐために法律というルールを作り、互いに共通認識をもつことにより紛争を防いでいるわけです。
そのルールを無視するということはこの社会にいる限りある種のリスクになるわけですが、そのリスクによるマイナスよりも自分が得られるプラスが大きいからそのような振る舞いをする人たちが出てくるのでしょう。
ということは、労働法を守らないリスクというのはこの社会では小さいということなのでしょうか。
例えば、割増賃金を支払わない違法行為(労働基準法第37条違反)に対する罰則は6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金です。
しかし、そのような罰則を課せられたという話はあまり聞きません。
労働基準監督署の是正勧告を受けたという話は、私の周りでもちらほら聞きますが、その時点で過去の未払い分などを精算して、今後について「是正」すればそれでよいでしょうということになります。
未払い分は、時効の及ばない2年間分さかのぼって支払わなければなりませんが、そのあたりは会社の支払い能力もありますので、交渉の余地があるようです。
裁判になりますと、負ければ時効の及ばない範囲の2年間分の残業代、悪質な場合は同額の付加金を支払わされることもありますし、「精神的苦痛」に対する損害賠償もだいたいセットで請求されます。労働者側の人数が多かったりすれば、会社は多額の支払いを負うことになりますが、裁判まで起こそうとするような労働者は極めて少数です。

そんなことを考えると、労働法は罰則が甘いのか、労働法をなめている経営者がいるからか、そもそも摘発する側のキャパシティが少ないからなのか、労働者側も泣き寝入りする人が多いからか、いろいろな要因があるんだろうなと思います。
せめて、私が接触する事業主さんには法令遵守をご指導申し上げたいと思う昨今です。

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