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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

社会保険の未加入問題

このところの報道によると、厚生労働省は、法律上、社会保険に加入しなければならないのに加入していない事業所について、指導を強め、悪質な場合は刑事告発もするように基準を策定するとしています。
労働保険(労災保険と雇用保険)は個人経営の農業など一部業種を除き、人を一人でも雇った場合に加入の義務が生じます。
社会保険は、株式会社、NPO法人、福祉法人、などすべての「法人」(役員のみの場合も含む)と、常時5人以上の労働者がいる事業所(サービス業など一部業種を除く)になれば加入の義務が生じます。
労災保険の場合は事業主の業務上の災害補償義務をカバーしますし、雇用保険も労働者が退職したときのいわゆる失業保険ですから、加入義務のある事業所はたいてい加入しているはずです。
保険料も雇用保険は事業主負担が業種によって、支払った賃金の0.85%から1.05%、労災保険は同じく一部の業種を除けば1%以内に納まりますので、それほど大きな負担感はないと思います。
それに比べて社会保険料は、厚生年金保険料が17.828%(今年8月までの料率)、健康保険料が協会けんぽの場合、都道府県により違いますが平均10%、これをそれぞれ折半負担ですから、かなり負担しなければなりません。

社会保険料の納付義務者は法律上事業主です。労働者負担分を給料から天引きして預かり、最終的に翌月月末までに事業主負担分と一緒に納付します。
加入義務があるのに加入しないでいると不利益を被るのは労働者です。
将来の年金額が加入せずに国民年金だけの場合に比べて大きく変わりますし、死亡時や重い障害を負った場合の年金額も変わってきます。
健康保健の給付も傷病手当金など国民健康保健にはない制度もあり、労働者に有利に設計されています。要するに、いずれも会社などに雇われて働く労働者の福祉のための保険といえます。

しかし、前述のように保険料負担が大きく、赤字経営だったりするとこの負担により倒産しかねないなどという話もでてきます。
これは、何人かの社労士に聞いた話ですが、以前は窓口に行くと「保険料、ちゃんと払えるんですか?」とか、「黒字になってから加入してください」などと言われたこともあるそうです。
滞納されると事務が大変になるということなのでしょうか。それとも、お目こぼししてあげるよということなのでしょうか。
私が開業した頃の新規適用届には、事業所の現況届を書く欄があり、取引先会社名とか取引銀行、車両の種類や主な機械器具などを書く欄がありました。
めんどくさいんだなーと思いましたが、支払能力のチェックがされていたのかもしれません。

その後、実際の仕事として新規適用届を出す機会を二度ほど持ちましたが、書式も簡単になっていて、えらく簡単に済んだので拍子抜けしたことがありました。
少子高齢化がどんどん進む今は、とにかく加入者を増やしたいという思惑が見えます。
法律で決まっているのだから仕方ないですが、労働者のいない社長一人の法人にまで果たして加入を義務づけるのはどうなのかなとも思います。
そういう事業所にもどんどん指導が入っているようで、もう「お目こぼし」はこれからはないのでしょう。休眠会社も多いそうで、どれだけ、きちんとできるのかというところでしょうか。
刑事告発の基準を出すそうですので、注目したいと思います。

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