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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

企業努力だけでは難しい介護離職防止

 今朝、出かける前に「ながら視聴」していたテレビの情報番組で、家族と暮らしていても日中一人になってしまう高齢者の「孤独死」についてリポートしていました。
事例の一つとして、90歳を超える実母を一人で介護しながら働いている息子さんの例がありました。夜遅い勤務などもある前職を辞めて、労働時間の少ない近所の会社での仕事に替わった理由は、お母さんがベランダで転んで倒れたまま10時間以上も一人でそのままだった事故がきっかけだったそうです。
収入が半減して、自分も持病があり医療費などがかかるため貯金を切り崩す生活だそうです。
現在は車椅子のお母さんの介護のために、30分間のお昼休みにも自転車で帰宅して昼食を作るような介護の毎日で、ついお母さんに声を荒げるような場面もあります。本人も母のために自宅介護を選択したが、これでよかったのだろうかと悩んでいるそうです。
テレビの取材に明るく笑顔で答えるお母さんを見ながら、息子さんは「母の笑顔を久しぶりに見ました。いつも、自分でもいけないと思いながらつい怒鳴ったりしてしまい、お互いにきつい顔になってしまうので」と、こちらも笑顔で語っていました。
「今日、ちょっとお話しして少し気が楽になったようにも感じます」ともおっしゃっていました。

 先ごろ、政府は「介護離職0」を掲げ、介護のために離職しないですむように介護休業や、介護休暇についての法改正などもしていくと発表しました。
人材の流出を防ぐために、すでに努力している企業もあります。私の関与先のある会社も育児や介護、病気治療などを理由として、正社員のまま労働時間を一時的に減らすことができるように規程を整えました。
お子さんを学校に送るために毎日15分だけ遅刻するわけにはいかないかと、社員さんに相談されたことがきっかけでした。
私は、もともと企業はもっと弾力的な労働時間制を整えるべきだと考えていましたので、ご相談いただいてからすぐに社内規程の整備をご提案して実現しました。

しかし、冒頭のテレビ取材の例などを見ると、そのような企業努力だけでは「介護離職0」は無理だと思いました。介護に関する社会保障の分野とセットで大幅に改革していかなければならないと思います。
民間の産業として介護保険などの枠を超えてそういう事業を起こしやすくするような支援も必要だと思います。
「昼間来てお昼ごはんを食べさせてくれるようなサービスがあるといいんですが・・・」とテレビに出ていた息子さんはおっしゃっていました。
自宅で頑張って介護しようとすると、どうしても「密室介護」になってしまい、介護する方もされる方も感情をぶつけあってしまうんだなというのがわかります。
テレビクルーにしても他人が入ることにより、お母さんも冗談を言ったりして笑顔を取り戻していました。人間には、「他人によく見られたい」というような本能的なものがあるんだろうなと思いました。
適度に他人に助けてもらうのはかえっていいことなのかもしれないと思います。
介護者同士が悩みを打ち明けられる場もできてはいるようですが、もっと積極的にそういう場も作っていく必要があるでしょう。
「介護離職0」と言っても、企業にだけ責任を押し付けていたのでは絶対に実現しないだろうなと思ったのでした。

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