FC2ブログ

おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

労働条件の不利益変更はよく説明を

 先週、最高裁で、労働条件を不利益に変更する際には、形式的な同意だけではなく、きちんと説明して納得してもらわないと認められないとして高裁に差戻しとなる判決がでました。
いち早く裁判所のHPに判決文がアップされています。(
参照)
信用組合の合併に伴う退職金の支給について争われたものですが、合併に伴い支給基準が変わり計算方法などの条件が悪くなることと、企業年金の還付金等を受け取る場合にはその分を退職金から差し引くなどすることになり、結局退職金が0となってしまった職員が訴えたものです。
判決文の最初の方で、合併に先立ち職員に対する同意書案を社会保険労務士が作成したと書かれていて、興味深かったです。
この社労士の作成した同意書案では、退職金は合併前の水準を保障するとなっていたそうですが、別途構成されていた合併協議会で、さらなる検討を重ねてだんだん条件が悪くなっていったようです。

 信用組合側は訴えた職員らに対して内容の説明はしていますが「同意してくれないと合併ができない」などと言って、同意するように促しています。退職金の計算方法などは示されていたと思いますが、最終的に0になることはおそらく説明がなかっものと思います。
最高裁までいって高裁に差戻しになったということは、地裁、高裁では、同意書に署名していることを重要視したのかもしれません。
しかし、最高裁では、たとえ同意書に署名があったとしても、それが形式的なもので、本人が詳細について説明を受けて納得していないと認められないと判断しています。
具体的には、不利益になる内容や程度、それに先立つ情報提供や説明の程度などに照らして、労働者が自由な意思に基づき同意したものであるとの合理的な理由が客観的に存在するかなどが判断材料になるとしています。

これは、労働条件を途中で悪くするのですから、当たり前といえば当たり前なのですが、実務的には経営者側に非常に厳しいものだと思います。
何はともあれ、とりあえず同意書はとらなくてはなどと考えているだけではだめで、その前にきちんと情報を開示して説明を尽くして納得してもらい、けして、会社から「早く書いて」などと言ってはいけないということになります。
また、その同意書の内容も、説明を尽くしていることがわかる文章でなくてはならないということになります。
というわけで、私も関与先のその種の同意書など作成することがあるので、十分気をつけなくてはいけないなと思った次第です。

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する