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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

傷病手当金の計算方法を変える意味

会社等にお勤めの人が加入する健康保険制度には、自営業者等が加入する国民健康保険にはない有利な制度があります。
その一つが傷病手当金です。病気やけがで仕事を休んだときに給料が出なかったときに支給されるもので、まず、連続して3日以上休み(有給休暇、土、日等の公休も含めてよい)さらに4日目以降も休んだ場合に4日目以降について、1日につき標準報酬月額の30分の1の3分の2が支給されます。
給料が出ても、傷病手当金の額より少なければ、傷病手当金の額との差額が支給されます。
標準報酬月額とは、毎月の保険料の計算を簡単にするために1年に一度、4月、5月、6月の給料の平均額により、ある程度の幅をもたせて設定している等級ごとの額にあてはめて、1年間(9月~翌年8月まで)、大幅な給料変動がない限り、その額に固定して保険料を計算するための金額です。
例えば、給料の平均額が25万円以上27万円未満の人は、20等級で毎月26万円に固定して健康保険料、厚生年金保険料を計算します。
この26万円がその人の「標準報酬月額」ということになります。
大手企業や企業の連合で独自に作っている健康保険組合の場合、規約で法定以上の給付とすることができますので、いろいろ有利な制度がある場合が多いですが、中小企業の多くは協会けんぽ(全国健康保険協会)に加入していますので、私も協会けんぽについての情報を書かせていただきます。 

 本日の標題にした「計算方法を変える」ですが、今年の3月までは休業直前の標準報酬月額に基づき計算していました。
4月からは、休業前12箇月の平均の標準報酬月額で計算することに変わりました。
途中で会社が変わり12か月ないとき等の計算の仕方については協会けんぽのサイトに説明やQ&Aがあります。(
参照
)

さて、この意味はやはり給付を抑制する方向にベクトルが働いているのかなという気がします。
例えば、前述の標準報酬月額は昇給等で固定的な賃金(基本給の他、家族手当、役職手当、通勤手当なども固定的に支給される賃金とみなされます)が2等級以上変動して、その状態が3箇月以上続いた場合、4箇月目から標準報酬月額が改定されて高くなります。
もちろん、そのために「月額変更届」という届出を出します。
社労士になってから、これを「げっぺん」と皆さん言っていることがわかり、業界特有の略語があるもんなんだねーと感心したのも今は昔の話ですが。
今までですと、休業前に改定されていれば、そのまま高い方の額で計算されていたわけですが、前12箇月の平均となると高くなる前の低い額も含めて平均されますから、給付額が下がる可能性もあります。

普通は、1年間の間に昇給する人の方が多いのではないかなと思います。
4月、5月、6月の給料で決める場合は、「定時決定」と言って1等級の差でも改定されますから、12箇月の間に標準報酬月額が高くなる人は結構いると思いますが、それが今までのように傷病手当金の額にすぐ反映されず、低かったときと平均されてしまうと、休業前に高い額でいた期間が短いほど不利になるということでしょうか。
だいたい、平均額と思われる月額30万円の前後は等級の変動で月額2万円違います。その67%として13,400円の差が出ます。
結構大きい。これは、やはり給付額を少しでも抑えたいということなのかなと思ってしまいます。
以上の計算方法は、出産で休業した人も同様で、私としては、現役世代にはこの所得保障とも言える部分をもっと手厚くしてもよいのではないかと思っているので、なんでこんなこと考えたのかなと思う今日この頃でした。

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