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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

労働契約法は「成長」してる

2008 年3月、労働契約法が施行になった頃だったと思いますが、法律制定に関わった法律学者の先生のお話しを拝聴する機会がありました。
労働者側に有利な条項が経営者サイドからの反対により随分削られたというようなお話しがあり、でも、法律ができたことは非常に大きい。今は小さな法律だけれど、今後の動向次第で大きく成長して重要な法律となる可能性もあるというようなことをおっしゃっていました。
その後、2012年に改正され、有期契約の更新を繰り返し通算5年を超える労働者が申し込めば無期契約に変わることができるなど、企業が対応に追われた改正とともに、期間の定めがあることによる不合理な労働条件の差別禁止条項も追加されました(第20条)。
先週、報道された東京地裁の裁判では初めて労働契約法20条が争点となった裁判の結果がでて、やはり、裁判の場に行くと明文化された法律条文は存在感が大きいなと思いました。

 報道によると、定年後再雇用された運送会社の運転手さん3人が定年退職前と全く同じ仕事をしているのに、1年契約の嘱託という雇用形態のため年収が2~3割下がったのは、前述の労働契約法20条の有期雇用者に対する不合理な差別で違法だと訴えた事件で、裁判所は訴えを認め賃金の差額分を支払うように命じたそうです。
判決文を読んでいないので明確ではありませんが、報道では、コスト削減をしつつ定年後の雇用確保のために賃下げをすることは合理性があると認めているそうです。
しかし、この会社の場合、経営状態が悪いわけではなく、社会的にも定年後の再雇用について業務が変わらないまま賃金が下がることが慣行になっているとはいえないとしているようです。
会社側が主張した本人たちの同意も、同意しないと再雇用されない恐れがあったためと斥けています。

定年後の再雇用については、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」で65歳までの再雇用または継続雇用、定年制の廃止を求めています。
60歳定年制の企業は、いったん退職金を支払い退職した後に再雇用という形をとっていることが多いのではないかと思いますが、全く同じ仕事につき責任も全く同じ場合は注意が必要ということになります。
この事例は、トラックの運転手さんという事例ですので、業務が同じかは比較的判断しやすいように思います。
パートタイム労働法にも「通常の労働者と同視できる短時間労働者」についての差別禁止条文がありますが、タンクローリーの運転手に関して、この条文に違反するとして賞与の差額支払いを命じた判例もでています。(
過去記事参照) 
専門的な職種で一人ですべて任されているような場合は、正社員と同じ業務と判断されやすいということなのだと思います。
通常の会社の場合は、役職を外し責任を軽くしたり業務内容も変えたりしますからただちに「不合理」と判断することは難しいと思いますが、職種の内容によっては気をつけないといけないのだろうと思います。
「労働契約法」が労働契約のルールとしてしっかりと定着して前に進んでいることを思わせるような判決だと思いました。


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