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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

同一労働同一賃金への道

 現政権が何故か「同一労働・同一賃金」の実現などということを言い出したせいか、経団連が早速それについて提言書を発表しました。(参照)
欧州との比較で雇用慣行がかなり違う日本ではその実現はいろいろと難しい面があるが、非正規雇用者に対する不合理な差別はいけないし、合理的な範囲で実現していかなければならないというようなことが書かれています。
新卒一括採用についての弊害等には一切触れず、現行の法律の枠内での非正規雇用者の処遇改善を進めていくように、具体的な処遇のあり方なども記載しています。
それを加速していくことにより、非正規、正規という二分論がなくなり非正規従業員という言葉や概念のない社会の実現が期待できるとしています。

へぇー、そうなんですかね。
でも、現状の少子高齢化、人口知能の発達などにより職場環境が変わることは確実だろうと思います。そういう意味で、非正規、正規という二分論は確かになくなるかもしれません。そんな時代ってどんなだろうと思います。それはさておき、読んだ感想などちょっと書いておきます。

提言書によると、欧州では産業別労働組合が主流で、産業別の職務グレードが確立しています。職務内容限定で就職する人が多いため、会社は変わっても仕事は変わらない、この仕事の賃金はこれぐらいということが労使で納得しているので、そこに雇用形態による賃金や待遇の差をつけることは原則としてできません。
雇用主が何かの理由により待遇差をつける場合には、その理由を雇用主側が証明しなければならないことになっています。
そして、その職務内容の同一性の判断は「一時点の職務内容」です。日本でも、パートタイム労働法や労働契約法で、パートだから、非正規だからといって不合理な差別はできないと規定していますが、その判断基準のハードルは極めて高いです。
「一時点の職務内容」のみならず、与えられている権限、責任、転勤、異動等の人材活用が同じか、残業時間、クレーム処理、など、職務内容だけではなく付随するその周辺の事情までみて、正社員と同じかを判断するというもので、それでは、ほとんどの非正規雇用の人は正社員と同じ労働をしているとは判断されません。

現状で非正規雇用の方々が不満をもっているのは、まさにこの点なのだと思います。「一時点の職務内容」は同じなのに、待遇による格差が大きいということでしょう。
賃金、各種手当、社内の福利厚生、そして、差別的な言動など、すべてにわたる処遇の格差があるというところで、納得できないのではないかと思います。
しかも、新卒一括採用のレールから外れてしまうと、なかなか正規のレールに乗ることが難しいということもあります。
就職氷河期のように、自分ではどうしようもない社会経済情勢に左右されてしまうのはいかにも不公平です。
「同一労働・同一賃金」をつきつめていくと、社会にある不公正、不公平に必ず突き当たるはずですが、経団連の提言書にはそのような言説は何もありませんでした。
それでも「同一労働・同一賃金」について経営者側も無視できない時代となったのだなということはわかりました。

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