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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

契約社員に対する不合理な差別

 昨日、同一労働、同一賃金に関連する記事を書きましたが、有期契約労働者に対して不合理な差別かどうか判断する基準に責任や権限、その他が入ってきてハードルが高いと書きました。
今日の報道によると、トラック運転手として働く契約社員が正社員と同じ仕事をしているのに各種手当がないこと、賃金格差があることなどについて、期間の定めがあることによる不合理な差別をされているとして訴えた裁判で、大阪高裁が訴えの一部を認めたそうです。
裁判所は、転勤、出向などの面で契約社員と正社員の違いを認め、賃金格差については合理性があるとしたようですが、7種類ある手当のうち、給食、通勤、無事故、作業の四つの手当は、職務内容による直接の差がないとして支払いを命じたと報道されています。
一審では、通勤手当の支払いのみ認められたそうですが、高裁ではさらに拡大しているようです。
給食は、契約社員も食事するのは同じですし、「無事故手当」についても無事故なら出さなきゃおかしいし、「作業手当」というのが詳しくはわかりませんが、トラック運転という作業に対する手当なら、契約社員もトラック運転をしているのですから、出さなきゃおかしいという考え方だと思います。

 前述のように、転勤、出向の有無により正社員との違いがあり、そのために賃金格差があっても認められるとしたようですので、同一労働・同一賃金とはちょっと違いますが、手当については、その「質」により合理的な範囲で差をつけなければいけないという考え方を裁判所は示したのだと思います。極めて当然の考え方だと私は思います。
有期契約社員と正社員とで、手当も含めて差をつけて人件費を削りたいと考えている企業関係者にとっては、ちょっとショックかもしれません。
以前にもタンクローリーの短時間労働者が正社員と同じ業務内容と認定され、賞与の差額支払いを命じた裁判例がありました。
定年後の再雇用で嘱託となった運送会社の運転手さんについても、正社員と同様な仕事をしていると認定され賃金の差額支払いが命じられた裁判例もでています。
トラックの運転手さんなどは一人で全て任され仕事をすることが多く、正社員とまったく同じ仕事をしているという実態が目に見えやすいということがあるのでしょう。
今後、この種の裁判が増える可能性があり、事業主としては有期契約労働者の労働条件について気をつけなければいけないと思います。

ただ単に有期契約で正社員ではないから、手当はなしとか賃金も低く抑えるというようなことはこれからは通用しなくなっていくと思います。
その違いに合理性があるかどうか、事業主側がきちんと説明できるようにしておかなくてはいけません。職務内容をつまびらかにして正社員との違いを、責任、権限、転勤の有無等を含めて明確にしなければなりません。
その上で合理的な範囲での差をつける。賃金でいえば正社員の8割~9割ぐらいが妥当ではないかと私は思っています。
手当に関しては、「質」で判断することになります。
冒頭の裁判例のように、通勤、食事、などについては業務とは直接関係のない手当ですから、業務内容が違うから出さないという理由は通用しないということが裁判で示されました。
今後、各企業においては各種手当などについても見直しが必要となってくるでしょう。


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