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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

労働時間の端数処理

 私の購読している朝日新聞には週1度労働関係の記事が掲載されますが、そのかたすみに読者の投稿欄があります。
昨日、翻訳会社でパートとして働いている人からの投書で、超過勤務に対する賃金が30分未満が切り捨てられていることに気がつき、事業主に確認したところ、「これが普通だ」ととりあってくれなかった。しかし、労働基準監督署に相談したと告げたとたんに態度が一変。パート全員に対してさかのぼって1分単位で計算し直して差額が支払われたそうです。労働基準監督署に会社を指導してもらうのはハードルが高いと感じていたが、相談するだけでも効果があるとわかった。
というような内容です。
細かいことが書いてないのでよくわからない部分もありますが、30分以上働かないと超過勤務に対する賃金が支払われないということだったのでしょうか。
賃金計算を30分単位とか15分単位ですることは多くの会社で賃金計算の煩雑さをさけるために行っています。

1日ごとに時間と賃金を確定する場合には、必ず切り上げの処理をして労働者の不利益にならないようにしないと違法とされます。
投書の例だと、30分ごとにくぎるのであれば、20分でも25分でも切り上げて30分とする。35分、40分などの場合は1時間とするということになります。15分単位でも同様です。
しかし、多くの会社は一月ごとに賃金計算をしていると思います。
 通達(昭和63.3.14基発150号)が出されていて、一か月のトータルを出してそれについて端数処理として、30分未満を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げることは、必ずしも労働者の不利になるわけではないので法違反とはならないとされています。
この投書者の場合は、推察ですが、1日25分とか20分とか超過勤務をしてもそれが0とみなされていたということなのでしょうか。それは、当然、賃金全額払いの原則に反してしまいます。
パートでも給料の支払いは多分月に一度まとめてだと思いますので、20分でも15分でも所定の労働時間を超えて勤務した時間を記録しておいて、締切日にそれらを合計した結果、30未満の端数がでたらそれは切り捨て、逆に30分以上になったら1時間分に換算するとしても違法にはならないという考え方です。
ただし、給料の計算の仕方は必ず文書にして雇入れ時に渡す義務が事業主にはあります(労働基準法第15条)。
また、パートタイム労働法には、事業主はパート労働者に対して一定の労働条件に関する説明義務が課せられています(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律第14条)。
ですから、雇入れ時に超過勤務した場合の賃金の計算の仕方は説明しておかなければいけません。

投書の事業主さんはそれらを怠っていたのではないかと思います。
労働契約は契約関係です。車を売ったり買ったりする場合、代金やオプションやその他の費用や計算方法など詳細に文書にしてお客さんに渡しますよね。
買う方もそれらを見てじっくり検討して納得してから契約します。
労働契約も契約関係である以上同じです。労使ともにそういう意識をもって雇い入れ、そして雇われるというふうになっていただきたいと思います。

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