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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

「%」の働き方で豊かな人生

昨日、就職氷河期に社会に出た若者の閉塞感について記事にしました。


それとは対照的に労働者保護が行き届き、働き過ぎることなく豊かな人生を実現しているように見える、オランダの例が朝日新聞の生活欄にでていました。


ここで言う「豊かな人生」とは経済的にすごく恵まれているということではありません。もちろん経済的にもそこそこなのでしょうが、働き方の選択の自由度が非常に高く、仕事以外に使える時間が多い生き方を選択できるということです。


例えば幼いわが子との触れあいの時間を増やすために、労働時間を90%にして、フルタイムより10%少ない働き方をする、給料も10%減りますが、隔週でまるまる1日休める計算になります。

夫が50%、妻が75%の働き方をして、夫の方が家事を多く負担している夫婦もいます。オランダでは各自の事情に合わせて、「○%」で働くのは普通のことで、給料明細にも各自の「○%」が記載されているそうです。


そんな働き方ができるのも、30年程前の1980年代の不況期に「労働者は賃金抑制に応じ、企業は時短を進め、政府は減税する」という合意ができたこと、それによりいわゆるワークシェアリングが進んだということがあります。また、それを進める大前提として、フルタイムとパートの格差をなくしたことが大きいのです。


オランダ型のパートは、賃金や休暇、年金などの権利が働く時間に比例するだけで、日本のような正社員との差別はなく、立場が不安定などということもありません。「同一労働・同一賃金」が徹底していて、働いた時間だけで差をつけるという、とてもすっきりした考え方です。


90年代には法律でパート差別を禁止、2000年には労働者が労働時間の変更を申し出た場合、原則として会社は断れないということも制度化されました。それにより、パートとフルタイムを行ったり来たりすることも可能になりました。


金融大手の役員を務めていた人の経営者としてどう考えるかという談話があります。「大事なのは生産性でオランダ人の一時間あたりの生産性はEUのトップクラス、短く働きたい人の能力を活用できるのは企業にもプラス」と語っています。


オランダはサービス産業中心で国民の8割が英語を話す高い語学力などがあるとのことで、一概に比較するのは無理があると思いますが、国民全体で利益も不利益も分かち合うという姿勢は見習うべき点があると思います。日本のように特定の世代が割りをくっているのに、何の解決策もなく、ほぼほったらかしというのは、社会のありようとしてどうなのだろうと考えてしまいます。


ただ、労働時間の少なさは当然サービス面では劣ってしまいます。スーパーは夜間や日曜には閉まり、新聞も週1回は休むそうです。労働者の権利を顧客サービスより優先して、それを社会が甘受しているということです。


最近私の回りでも、24時間営業のスーパーが増えました。夜間はほとんどお客さんもいないと思うのですが、電気代だけ考えても、随分無駄じゃないかと思っていました。地球環境のこともあるし過剰なサービスはやめたらいいのではないかと思っていたので、そんな点からもオランダの話が目についたというわけです。


不況期にどんどん人減らしをして、パートやアルバイト、派遣などで人件費抑制をして利益を出していた日本の企業は、一体この社会がどのような社会になったらいいと考えているのでしょうか。企業の社会的役割を自覚していたら、もっと違う策があったのではないかなあと思います。


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