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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

電通への強制捜査雑感

社労士試験の受験生だった頃、 予備校の先生が労働基準監督官には警察官と同様の逮捕権限があるとの説明で、「労働基準監督署の署の字は他の区役所や公共職業安定所の所の字と違って、警察署の署と同じでしょう? そういうことなんですよ」と説明してくださいました。
なるほどーと妙に印象に残りました。それから10年、労働法が面白くて判例も含めて一生懸命勉強することになるとは思いもよらない頃でした。
万物は生々流転、私も時の流れとともに変わってきたなーと感慨のようなものを感じます。
そんなことを思い出すニュースが今朝の新聞一面に大々的に報じられています。
新入社員の自殺が労災と認定された大手広告代理店電通が、労働基準法違反の疑いが強まったとして昨日強制捜査が行われたというニュースです。

 直接の嫌疑は、以前行った任意の立ち入り検査により、労働基準監督署に届け出た時間外労働の上限を超えて違法に従業員を働かせていた疑いだと報道されています。
労働基準法では原則、1日8時間1週40時間の労働時間の上限を定めています。これを超えて働かせたい場合は労使で協定して余分に働かせたい時間を決めて労働基準監督署に届出をします。労働基準法第36条にある協定のため「サブロク協定」などと呼んでいます。
厚生労働省は告示により、1か月45時間、1年360時間という限度時間を定めていますが、臨時の受注により急に忙しくなったとか、納期が切迫してしまったというような特別の事情がある場合には、別途届出をすれば必要な時間残業することも可能です(ただし、法令で定める有害業務の延長は1日につき2時間までです)。
今般は、出退勤記録や労働時間の記録を調べて、届け出た時間以上に働かせた疑いが強まったということなのでしょう。
今後は、違法な長時間労働を放置した会社や関係者の責任が追求されるだろうとも報じられています。

電通は、特にテレビメディアに力を持つといわれています。テレビ局側が自身の番組のスポンサーを探すことが困難らしく、電通が連れてきてくれるなどと言われています。原発推進のキャンペーンをしたのも電通だという説もあります。社内には、社会的に権力を持つ側の子息等もたくさん入社しているという言説も聞かれます。
自殺した若手社員の損害賠償訴訟について、2000年に最高裁が全面的に会社の責任を認めた「電通事件」裁判でも、証拠を集めようとする労働者側に証言をしないように関連会社に働きかけたりする話がでてきます。電通ににらまれたら大変だからと、多くの関係者が口をつぐんだというような労働者側弁護士さんの話を読んだことがありました。
この業界に君臨する巨大企業にようやく当局のメスが入ったということになるでしょうか。
嫌疑はあくまでも違法な長時間労働ということです。しかし、自殺した社員が単純に長時間労働だけて自殺したのかは疑問の残るところです。
若い人たちが希望をもって活き活きと働ける会社とはどういう会社かを、経営者の皆さんには是非考えていただきたいものだと思いました。

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