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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

夫婦同姓は憲法違反か?(2)

 昨日の続きです。
最高裁は、婚姻により姓が同一となり社会の構成要素である家族の呼称として意義があり合理性があること、改姓については夫婦の協議により自らの意思により行われ強制されてはいないなどとして、多数決により憲法違反ではないとして、上告を棄却する判決を出しています。
補足意見を述べた女性裁判官は、多くの妻が結婚後家庭に入り家事・育児を担っていた時代には、問題がなかったが、近年の女性の社会進出により、個人、会社、機関その他で独立した法主体として契約や経済活動などを行うようになったため、改姓により別人と認識されることなどによる不利益を受けるようになったとしています。
また、この民法の規定が国連の女子差別撤廃委員会からも差別的規定としてたびたびその廃止を要請されていることにも言及しています。
96%の夫婦が男性側の姓になることについても、アイデンティティの喪失感などを持つこともあり得るだろうとしています。多くの妻が自分の意思で決めるといっても、女性の経済的社会的弱さ、立ち場の弱さ、種々の事実上の圧力などの要因がある結果だとして、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚した制度とはいえないと明確に否定しています。


 さらに、旧姓を通称として使用することがこの不利益を一定程度緩和できるとしたことにも反論しています。
「通称は便宜的なもので、使用の拒否、許される範囲等が定まっているわけではなく、現在のところ公的な文書には使用できない場合があるという欠陥がある上、通称名と戸籍名の同一性という新たな問題を惹起する」としています。
多くの女性が共感できる補足意見ではないかと感じました。
しかし、国の不作為については、国会での立法裁量であり今まで違憲との司法判断もされてこなかったので、国会が長期にわたり立法措置を怠ってきたとは評価できないとして、上告人の訴えを棄却した判決には賛成しています。

違憲とした5人の裁判官のうち一人(男性)は、上告人の訴えを認め国家賠償請求を認めるべきであるとした補足意見を出しています。家族が同一の姓になることに合理性があるとした判決文についても、かつて、夫婦同氏姓をとっていたドイツ、タイ、スイス等の国々で別氏姓を取り入れ、現時点において例外を許さない夫婦同氏制をとっている国はわが国以外見当たらないとしています。
平成8年に法制審議会がこの件について答申を出しているにもかかわらず、選択的夫婦別姓について法整備をしようとしない国会の不作為を認めています。
判決文全文を読んでみると、私にはどう見ても選択的夫婦別姓について法整備をしないことについての合理的な理由があるとは思えません。家族が一つの姓になる合理性について書かれていますが、明確にはよくわかりません。
夫婦同一姓を否定するわけではなく、希望者は別姓にできるように選択肢を広げるだけの話なのだからよいではないかと思います。
興味のある方はネットで判決文の全文が読めますのでご覧になってみてください(
参照)

職場での旧姓使用の原稿を依頼されたことから、昨日書いた国家公務員の通称使用を認める結果となった裁判などについても知ることができました。
判例は判決文を全文読まないと見えてこない部分がたくさんあります。そういう点では自分としてもとても勉強になったので、よい仕事をさせていただいたと思っています。

さて、当ブログ、本日をもちまして本年は御用納めとさせていただきます。
拙い雑文にお付き合いいただきました読者の皆様、誠にありがとうございました。今年はひところに比べ、更新もちょっぴり滞り気味でしたが、来年も引き続き皆様にお知らせしたいこと、自分が興味を持ったことなどについて書いていきたいと思います。
皆様、お身体に気をつけて良いお年をお迎えください。ご多幸をお祈りしております。


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