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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

管理・監督者と長時間労働

 関西電力で高浜原発の運転延長について原子力規制委員会の対応にあたっていた課長職の男性が過労自殺した件で、管轄の労働基準監督署が社長を出頭させ、全管理職の労働時間を把握をするように指導票を渡したと報道されています。
関西電力の本社は大阪ですから、福井県の原発のある事業所の責任者が管轄労基署に対応するのが普通だと思います。しかし、わざわざ社長を出頭させたというのは、違法な長時間労働は取り締まりを厳しくするというアナウンスもかねてのことなのでしょう。
労働基準法では、「管理・監督者」について労働時間、休日、休憩について同法の規定から除外するとしています。そのため、「管理・監督者」として処遇して労働時間の法律的縛りの枠外におき、通常の労働者より長時間労働をさせるケースがあります。労働時間の縛りがありませんから、「残業」という概念がなくなるからです。管理・監督者についての考え方は過去記事に書きました(
参照)。
「管理・監督者」にふさわしい待遇で、責任と権限がある、労働時間の管理をしないということが条件です。


それは、会社の経営に関わるような責任と権限がある人にとって、労働時間の縛りは仕事をする上でかえってじゃまになってしまうだろう、自由に思い切り働くためには労働時間を規制しない方がよいだろうという趣旨からです。その代わり、待遇については管理職にふさわしい手当等で処遇することになります。
報道によると、過労自殺した40代の課長職の社員は200時間を超える時間外労働をしていた月もあるそうです。「課長」というと、中間管理職という感じで労働時間の規制から除外できるほどの権限があったか疑問ですし、待遇もどうだったのかなと思います。
それについては、今般の指導にはなく、たとえ管理・監督者であっても健康面に配慮する義務があるので、労働時間の把握をするようにとの指導であったと報道されています。

「安全配慮義務」についての指導と思われますが、労働契約法第5条で「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」と規定されています。
中小企業の経営者の中にはそのような義務について知らない人もいますが、労働契約法に規定されるずっと前から裁判などの場では、よくでてくる考え方で労働契約に付随する義務と考えられています。
「管理・監督者」であっても会社に使用されて賃金を受けている立場の人は、労働契約法が適用となる労働者です。
会社は雇った人が健康で快適に働ける職場環境を提供するように配慮しなければいけませんし、労働時間管理をいい加減にしていたために健康を害するというようなことがあれば、当然責任を問われることになります。
たとえ、労働時間の規制を受けない管理職であっても、会社としてはその人が健康を害するほど働かせることはできません。
そのような配慮をするためには、その人がどのぐらい働いたか把握する必要があります。
管理・監督者であったとしても、会社としては、何らかの方法でどれぐらい働いているかの把握はしないといけない、働き過ぎの場合はきちんと対応しなければいけないということでしょう。
なお、有給休暇は法定どおりですし、深夜業についての除外はありませんので、深夜労働については割増賃金の支払いが必要です(就業規則等で賃金の中に含まれているとする場合もあります)。

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