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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

本当の「働き方改革」とは?

 このところ、「働き方改革」という言葉がよく聞かれます。政府主導で言い出された言葉で、「働き方改革実現会議」なども立ち上げられ、昨年12月には自民党政務調査会の働き方改革に関する特命委員会の中間報告書なども発表されています。
政府は、少子高齢化がどんどん進み、このままではこの国は経済成長もなくなり、立ち行かなくなると考えているようで、とにかく働ける人は働いて税金と社会保険料を負担してくださいと言いたいのかなと思っていました(明確には言ってませんのであくまでも私見です)。
「1億総活躍社会」と言い出したあたりから、あまのじゃくな私は、「うーん・・・」と何となく「ちょっと待った、その中身は何ですか?」と思っていました。
そんな中、所属する社労士会の研究会で、それについての総論のようなものを書いてきた会員がいらして、私も否応なく内閣府が発表している議事録などを読んで、「働き方改革」とはなんぞやと考えざるを得なくなりました。

総論については、前述の自民党の報告書を読むとだいたいわかります。
「働き方改革」と「経済構造改革」は車の両輪であるとして、アベノミクスを加速させるためには働く人の視点にたって改革をしなければならないというようなことが記載されています。
具体的には、1.同一労働・同一賃金で非正規雇用 の処遇改善 2..長時間労働の是正 3.女性の活躍、柔軟な働き方の環境整備 4.中高年の学び直しなど人材育成 5.病気治療等と仕事の両立 6.外国人労働力の活用 が挙げられています。
どれも実現すればすばらしいことですから良いと思いますが今までそのどれもなかなか実現しなかったのは何故なのか、2.の長時間労働の是正などは、随分前から「過労死」については取りざたされ、裁判例、労災認定など様々な事例があるのに、少しもあらためられる気配がありませんでした。

少子高齢化社会については合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子どもの数)が2.0をきったのは1975年です。単純に考えて男女ペアで子どもを作るのですからカップルから生まれる子どもの数が2人いれば人口は横ばい、一人だと減るというふうに私は解釈しているのですが、2.0をきってそれが回復しない、医療等の発達により平均寿命も伸びている状況は30年以上前から続いています。
その間、「男は仕事、女は家事・育児」という固定観念を覆すこともできず、長時間労働ができ、会社に言われるままに全国どこにでも行ける人だけが重用される会社のシステムも変わらずでは、様々な個別事情を抱えている人の活躍の場は限られてしまいます。
加えて、新卒採用を重視する採用慣行もそのままで「就職氷河期」など自分に責任のない社会的状況に就職が左右されてしまうような人たちに対する救済措置もないに等しい(一部助成金などあるにはありますが)。
今まで、よくぞほったらかしていたものだと思いますが、ようやく動き出したのは結局「経済」がらみです。

内閣府のHPにある「働き方改革会議」の議事録に、有名スーパーの関係者のパートタイマーに関する同社の現状について語っている興味深い部分がありました。
パートタイマーの中にはキャリアアップを望む人もいれば、管理業務等に責任を持たされることに負担を感じる人もかなり多くいて、接客とかサービスにやりがいを感じている、すべての社員がやりがいを持って働ける環境づくりを目指しているので、「働き方改革」が「社員のニーズ」にそった政策につながるように、自社の経験とノウハウを紹介したいと語っています。
「働き方改革」が「国の経済に役立つ人を増やす」という目的で行われるとしたら、私はやはり「うーん・・・」です。「税金と社会保険料を納める」というのは大事なことです。
しかし、最終的には本人が選択する生き方に関わってくることで、私は、その人の自由な意思で「被扶養家族の専業主婦(夫)」や、「高等遊民」がいてもよいと思いますし、何人にもそれは非難されるべきではないと思います。

「働き方改革」が国主導で個別の企業の事情も鑑みず、なんでもかんでも働いてキャリアアップしなさいとか、とにかくお金を稼ぐのがよいのだというような生き方を強いるようなことは、控えていただきたいなと思うのでした。

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