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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

傷病手当金における「社会的治癒」(2)

 前回の傷病手当金における社会的治癒について補足的に書いておきたいと思います。
前回の記事では、精神疾患について書きましたが、裁決事例では他の病気の事例もあります。
医学の発達により治りにくいとされていた病気や重い病気と考えられていた病気でも、通院を続けながら、通常の勤務ができる場合もあります。勤務を続けていて最初の請求から支給期限が過ぎた後に再度具合が悪くなり、休業してその分について傷病手当金を請求したときに支給期限切れで不支給とされてしまうことが多いようです。
裁決事例の裁決文では、社会的治癒について「医学的には治癒していないと認められない場合であっても、軽快と再度の悪化との間には社会的治癒があったと認められる場合は再発として取り扱う」として、その事例について社会的治癒があったかを検討しています。前回書いたように、いったん治癒した後の再発と認められれば、再度傷病手当金が受けられますから、本人にとって大きな問題です。
精神疾患の他の事例としては、「心筋梗塞、高血圧、糖尿病」、「悪性リンパ腫」「坐骨神経痛」などがありました。

 いずれも一度かかるとなかなか完全治癒とはならないような感じの病気ですね。
やはり、社会的治癒の判断については明確な基準がないため、いずれも再審査請求までいっています。傷病手当金は、加入している協会けんぽや健康保険組合に請求しますが、そこで「不支給」とされても異議がある場合には審査請求、さらに再審査請求まですることが認められていますが、再審査請求で認められたのですから、やはり判断が難しいということだと思います。

事例に挙げた病気の場合、最初に休業して傷病手当金を受け取ってから、勤務に復帰しても通院、投薬などは定期的に行っているため、その間の治療しつつも勤務をしていた状況が「社会的治癒」と言えるかどうかが問題となります。
「悪性リンパ腫」の人の例ですと、約半年間の休業により傷病手当金を受給して、その間に化学療法などにより腫瘍がほぼ消失して勤務に復帰しています。
約3年後に心不全、脳梗塞を発症して約半年間労務不能になり傷病手当金を請求しましたが、最初の傷病と相当因果関係があり前回傷病の合併症だとして認められませんでした。
結局、再審査請求までいくのですが、復帰してから約2年間は3~4か月ごとに通院しても格別の治療はなく、血液検査や画像診断による経過観察だけだったと認定しています。
その間、通常に勤務していたので社会的治癒が認められるとしています。

他の事例も、通常に勤務していたかがポイントとなっています。
欠勤があったとしても問題になるほどではなく、時には休日出勤、残業などもしていたとして「通常勤務」と認めた事例もありました。
会社事務担当者の方は、それらが参考になるかと思います。

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