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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

副業、兼業は許可制で

 先週末の夜、夫とぼんやりとテレビを見ていた時のニュースで言っていたことなので、全然うら覚えで不確かな情報なのですが、企業が副業を認めることを押し進めるように労働者側の団体が要望したというようなニュースでした。
「そんなに働きたいのかねー。」「仕事より趣味に費やす時間が増えた方がいいよねー」と怠け者?のオジ・オバはつぶやいたのでした。
世の中の流れは副業・兼業を認める方向のようで、今まで残業していた分の時間が「働き方改革」で余ってくると、その時間でなにがしか稼げれば助かるという人や、会社だけに縛られたくないとか、会社としても、他の仕事をすることにより視野が広がり本業にも効果があると積極的にプラス評価する企業もあるようです。
私は、就業規則を作るときには会社の許可なく副業や兼業を禁止します。言い換えれば、会社が「いいですよ」と言えば副業ができるということにしています。
労働者側の個人的事情や副業の内容により会社に認めるか否か裁量権を持たせる内容としているというわけです。

副業に関する考え方については、古い判例ですが常識的な判断を示している 判例があり参考になります。(小川建設事件 東京地裁判昭和57.11.19労判397-30)
建設会社の事務員として雇用されていた労働者が、就業後の午後6時から午前零時までキャバレーのリスト係(ホステス、客の出入りチェック)として働いていたことが会社に知られ、「会社に許可を得ないで在籍のまま他に雇われたとき」に該当するため、就業規則違反となり懲戒解雇とすべきところを通常解雇にとどめるとして解雇されたことについて、解雇無効として会社を訴えた事件です。

裁判所は「就業時間外は本来労働者の自由な時間であることからして、就業規則で全面的に禁止することは、特別な場合を除き、合理性を欠く」としています。他方「労働者がその自由な時間を精神的肉体的疲労回復のため適度な休養に用いることは次の労働日における誠実な労務提供のための基礎的条件」なので、会社は自由な時間の利用に関心を持たざるを得ないこと、場合によっては企業の対外的信用、対面が傷つけられるような兼業の内容もあり、就業規則で定めることは不当ではないとしています。
これだけで解雇したことについても、許可もなく兼業したことは就業規則違反で企業秩序を阻害して労使の信用関係を破壊する行為であるとして、不当解雇とは判断していません。
就業規則上に記載されたいる以上、判断は会社に委ねられているとしています。就業規則は契約であり、労働者側の債務不履行について厳しい見方をしているとも言えます。

就業時間外に肉体的精神的疲労を回復して翌日の労務提供に備えることが義務であるとしていることも、雇用契約により労働者側は誠実な労務提供が求められるのですから妥当だと思います。では、逆に長時間労働をさせる会社は、その時間(休養して翌日に備える時間)を与えていないのですから、労働者の仕事の内容がまずくても文句が言えないということになるでしょうか。
労使の債権・債務の関係をあらためて考えてしまいました。


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