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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

続生かされていない電通事件の教訓 心の病で労災最多

さて、昨日の「電通事件」の続きです。


この事件では、最終的に和解しましたが賠償金が1億6800万円という巨額であったため、話題となりました。


日本を代表する広告会社での過酷な長時間労働の実態、また、今でいうところの職場のパワーハラスメントなどが日常的に行われていたことが、裁判の過程で明らかになっています。

他の先輩たちが来るよりもずっと早く出社させられ、ぞうきんがけをしたり、次々かかる電話を受けていた、また、飲み会で班(数名のグループ)のリーダーから、リーダーの靴に入れたビールを飲まされた、飲まないと靴のかかとで殴打されたなどということが、事実としてわかっています。それについて、リーダー自身が「冗談だった」としながら事実を認めています。


裁判では、会社側の責任を非常に厳しく認めています。会社側は一審で100%敗訴となり、二審ではAさんの気質が精神疾患になりやすいとか、サービス残業などない、本人が勝手に残っていたなとどして、巻き返しを図り、3割の過失が被害者側にあるとされる判決となりますが、結局、最高裁でもそれはおかしいとされ、最終的には一審より高い賠償額で和解しています。(一審の賠償額を認め利息がプラスされた)


死に至るほど働かせておきながら、また、過重な労働であることを認識しながら何も策を講じていない、また、当たり前のようになされているサービス残業などについて、悪質だと判断されたのだと思います。


この裁判をきっかけに長時間労働が社員の健康を蝕む、特に心の面でも配慮が必要だという認識が世間的に認知されたと思います。


この事件は平成12年に和解となりましたが、それから7年、会社員の心の健康に対するケアはよくなったとは思えません。労災で認定される人がどんどん増えているのですから、むしろ悪くなっているということでしょう。職場のパワーハラスメントの問題など、日本的企業風土のマイナス面も感じられます。


この事件のように、裁判になると「○○事件」として不名誉な名前が永久に残ります。裁判の記録は公開されていますから、職場のパワーハラスメントなどについても明らかにされてしまいます。私も、自由な雰囲気なのだろうと勝手に想像していたこの会社が実は悪い意味での「体育会系」だったことに驚きました。企業は一種の危機管理として社員の健康に留意すべきだと思います。


昨日の記事の最後でご紹介したサイトには、この事件の担当弁護士の「奮闘記」が掲載されています。会社側は「失恋自殺説」を意図的に流したり、社内外にかん口令をしいたり、裁判などせず穏便に事を済ませようとした遺族の意向に対して全く無視したり、勤務の実態調査などにいっさい協力しなかったり、仕方なく取引先の人に聞いて教えてはくれたものの、その後土下座して名前を出さないでくれと言われたり、と、個人が巨大企業を相手に闘うことの大変さが語られています。


長時間労働は今もなくなりませんが、結局労働者側が泣き寝入りせず、声を上げていくことしかないのではないかと思います。過重労働についてのご相談は「過労死110番」や最寄の労働基準監督署、社労士会などでも受け付けています。1人で悩まないで是非ご相談なさってください。


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