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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる16年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

男性に対するセクハラとは? 雇用管理はどうする?

4月1日から施行になっている改正男女雇用機会均等法では、対象労働者が女性だけではなく、男性も含めて全ての労働者に対する差別的取り扱いが禁止となりました。


当ブログで以前にも取り上げましたが(過去記事参照)セクシャルハラスメントについても、男性に対するセクハラも禁止となり、さらに今まで配慮義務であった事業主の義務も、措置義務とされ対策の強化が求められています。


事業主としては「措置」ですから、目に見える形で何らかの対策を講じなければいけないわけです。

それについて厚生労働省では「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上構ずべき措置についての指針」(参照)を出しています。いくつかの措置義務が明記されています。

セクシャルハラスメントの防止の周知・徹底、明確化などの措置、就業規則の服務規律に定めるとともに、社内報などで啓発するなどです。


社内に自主的解決機関(相談窓口など)を作り、(外部委託してもよい)労働者の相談にのり、相談があった場合は事実関係を迅速、正確に把握し適性な処置をとる、自主的解決が難しい場合は第三者機関(労働局)に紛争処理を委ねる、などが挙げられています。


相談した労働者のプライバシーを守り、不利益取扱いをしないということはもちろん指針に盛り込まれています。


指針には、セクシャルハラスメントの内容についても書かれていますが、「労働者の腰、胸に触る」、「事務所内にヌードポスターを掲示」など、女性に対するセクハラが例として挙げられていて、男性に対するセクハラについては具体例がありません。


セクハラの態様として対価型と環境型があるのですが、対価型は労働者の意に反する性的な要求をしてその対応の仕方で解雇、降格、減給など不利益を与えるということですが、女性上司が男性の部下にした場合、今までは均等法の違反対象にはならなかったものが、今後はなるということですね。


また、環境型というのは、職場において労働者の意に反する性的な言動により就業環境が不快なものとなることを言います。


指針では「能力の発揮に重大な悪影響が生じる等当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じること」などと書かれています。


さて、男性労働者が不快になるような職場の性的言動とはどういったものでしょうか。女性に対しては性体験を聞いたり、体型についてからかったりということがありますが、それらは男性でも不快に感じる人がいるかもしれません。また、職場の上下関係で断りきれないような人を無理に風俗店に連れて行くなどというのも、セクハラとなるようです。


「職場」というのは、普段就業している場所だけではなく、取引先の事務所、取引先との打ち合わせのための飲食店など、業務を遂行する場所ならどこでも「職場」となります。男性の場合そうした場所での悪ふざけ(裸踊りの強要など)が今後はセクハラとなる場合もありますから、注意が必要でしょう。


対象労働者は正社員だけではなく、派遣社員、アルバイト、パートなどそこで働く労働者が全て対象です。派遣社員については、派遣元も派遣先とともに措置義務を負います。


いずれにしても、事業主は雇用管理の強化が求められているわけですから、職場の状況について見直すことが必要だと思います。


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