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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

低いのは誰のせい? 日本の労働生産性

昨日の朝日新聞に日本の労働生産性についての記事がありました。


労働生産性とは付加価値の総額である国内総生産(GDP)を全就業者数で割って算出します。(参照) 日本はOECD加盟30カ国の19位で、主要先進7カ国では11年連続の最下位だそうです。一時間あたりの生産性もやはり19位と低迷しています。


「残業代0法案」と揶揄されたホワイトカラー・イグゼンプションもこの統計を根拠に、「個人の能力を上げるために必要だ」と経営者側から主張されたわけです。


それだけで見ると労働者ひとりひとりが生み出す付加価値ということになりますが、もちろんそんな単純な話ではないということが書かれていました。

労働生産性というのは、個人の能力だけではなく、国全体の経済活動の効率性を示すのだというわけです。


特に、「駅の改札が自動化されれば駅員の数が少なくて済むようになり、ひとり頭の生産性は上がる」というように、情報通信技術への投資が大きく影響するそうです。ちなみに、米英の1995年~2004年の投資量をみると、米英は95年の4倍前後、独仏は2.8倍に増えているのに、日本は1.9倍に過ぎません。


労働生産性は企業の設備投資や効率的な組織運営に負うところが大きく、それらがうまくいっていないと労働者ひとりひとりがどんなに頑張ったところで上がらないということです。


また、非正規雇用の拡大も要因として挙げられていました。オランダはパートの比率が高い国ですが、1時間あたりの労働生産性は4位と健闘しています(全体では10位)。正社員とパートの待遇格差が非常に低いということが要因のようです。日本のように余りにも格差が大きいと労働者の意欲がわきにくくなるのは当たり前ですよね。


業種別のばらつきもあり、製造業だけだと3位、サービス業が日本の全産業平均を2割下回り、足をひっぱる形となっていますが、これも無料で質の高いサービスを提供しているためという原因があります。不親切な社会になれば、サービスそのものにお金を払う人が増えるため、生産性は上がりますが、それがいいのかという問題も出てきます。


労働生産性が低い」と聞くと、労働者がだらだら仕事をしているからだとか、チームで仕事をするために個人の能力が発揮しにくい日本型企業風土が悪いという議論になりますが、統計上に現れている数字のみではなく、その裏に何があるのかを読み取るということが大事なんだなあと思います。


とかく、経営者や政治家は自分たちに都合のいい数字を引っ張ってきて、それを根拠に自分たちの利益を図ろうとすることがあります。ホワイトカラー・エグゼンプションを導入しようとした時などが典型だったと思います。


労働生産性は経営者の経営努力と労働者の勤労意欲がともにプラスの方向へ向いた時に高まるものだと思います。記事にもありましたが、一生懸命働いても生活保護の受給額より少ない収入の人をほったらかしておいて、生産性をあげようなんてそれは無理なのではないかなと思います。


雇用環境を改善するためには、結局私たちひとりひとりが声を上げて、メディアを動かし、政治家を動かし、とやっていくしかないのではないかと思います。

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