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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

声に出して読むとわかる名文、漱石の「こころ」

朗読をすると脳が活性化されるそうです。


足し算、引き算など単純な計算をしてもいいらしいけれど、さすがにそんなことは面白くも何ともないなと思い、でも、自分の好きな小説などの朗読ならいいかもしれないと、少女時代の愛読書を毎日少しづつ朗読することにして読み出したのが数ヶ月前。ようやく読み終えました。


漱石の『こころ』は中学生の頃から20代までの私の座右の書でした。

結婚して子供が生まれてと、忙しい日々の中で本棚の片隅に置き去りにされていましたが、あらためて読んでみるとやはり面白くて、おまけにつくづく名文だなと思います。


漱石の文章はとても簡潔な文章なのですが、「簡単な文」という感じがしないのです。語りたいことが過不足なく詰め込まれている中身の濃い文章という感じがするのです。言葉の選び方が的確である種のリズムがあります。特に、この小説は会話が多いのですが、明治の香りがする言葉づかいや、テンポのよさにあらためて感心しました。


漱石の小説によく出てくる財産があるため特に働くこともせずに、自分のしたい勉強などして日々過ごす教養ある人、いわば「高等遊民」というのは、一時期私の憧れの「職業」?でした。もとより、私がそうなれるわけもないのですが、日々の暮らしのことなんかであくせくせず、「人はどう生きるべきか」「善と悪とは何か」なんて哲学的な命題に頭をめぐらせていられたら、楽しいだろうなあと本気で考えた時もありました。


でも、そんなことはすっかり忘れ、家事、子育て、仕事、その他たくさんの雑事に追われ、気がついたらすっかりおばさんになり、ボケ防止のために漱石を朗読するとは! 歳月はつくづく残酷だと思いますが、若い頃には感じなかったことを感じたりと新しい発見もありました。


『こころ』では、主人公の「私」が心酔する「先生」(見ようによってはこの人が主人公)が、若き日の恋愛にからむある贖罪意識から自殺をします。折りしも昨日、現職の大臣が自殺というニュースが入ってきました。命に代えて守りたかったものというのは何だったんだろうかと思いますが、私には同時期に訃報が報道された女性ヴォーカリストのニュースの方がショックでした。


彼女が活躍し出した頃、私の子供たちがちょうど音楽に興味を持つ年齢になり、内外のアーティストのCDが我が家にあふれていました。私の好きなジャンルはどちらかというとクラッシックなのですが、子供たちのCDもよく聴きました(いつもかかっていたので聴かされた)。彼女の伸びやかな歌声ときらきらと若さが輝くような詩が好きでした。


享年40歳と聞いて、同じ40歳で亡くなった友人のことを思い出しました。人の死のニュースというのは、いつも何かを考えさせるなあと思います。

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