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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

「ばかやろう」で解雇は無効、解雇権濫用を考える

少し古い話ですが、今月9日に名古屋地裁で上司に「ばかやろう」と言ったことが理由での解雇は無効という判決がありました。(参照)


派遣会社から通訳として派遣されていた日系ブラジル人の原告が、有給休暇の申請を巡って上司と電話で口論となり、「ばかやろう、おれは子供ではない」と言ったことに対して、翌月解雇となったものです。


名古屋地裁では「発言は1回限りであり、合理的な解雇理由ではない」と認定しました。

「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」(労働基準法第18条の2)


以上の条文は平成16年の労働基準法の改正により明文化されたものですが、長く判例法理として常識となっていた考え方です。要するに多くの人が納得するような理由がないと、なかなか解雇はできないということなのです。ですから、裁判になると労働者側に分がある場合が多いとも言えます。


その辺のことはこの会社も理解していたとは思いますが、このブラジル人原告は労働組合活動をやっていたということですから、本当のところはそれが原因でやめてほしかったのかもしれません。


原告は派遣会社から自動車部品会社に通訳として派遣され、一緒に派遣された日系ブラジル人の勤務管理なども担当していたということです。私の勝手な推測ですが、同僚の労働条件が少しでもよくなるように努力していたのかもしれません。会社としては組合活動をしたことによりあからさまに不利益な取扱いをすることは、不当労働行為として労働組合法で厳しく禁じられていますから、解雇のチャンスを狙っていたのかもしれません。


それにしても、ちょっと電話で口論となり「ばかやろう」と言ったぐらいで解雇が認められると思っていたとしたら、ちょっとお粗末な認識だったのではないかと思います。就業規則上で規定があれば懲戒の対象にはなると思いますが、いきなり解雇はまずできないと考えるのが常識だと思うのですが。


派遣会社というのは人を物のように右から左に動かして利益を得る会社ですから、感覚が少し麻痺していたのかもしれません。常識的な判決が出てよかったと思います。

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