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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる12年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

限定正社員の調査 労働経済白書

 先月末に2018年版の労働経済白書が公表されました。その中で、働き方改革関連で政府のアナウンスでも度々言われていますが、働き方の多様性を認め人材育成をしていくというところで、限定正社員制度について取り上げています。
育児、介護などの家庭の事情や病気治療など私的事情で、地域を限定して働きたい、職種を限定して働きたい、残業はしないで働きたいなどとという人のために企業内で作る制度です。
通常の正社員ですと、会社に命令されるままに全国規模の転勤や部署異動が当たり前ですが、それらはしばしば私的都合より会社の都合を最優先させる働き方となり、私的都合をいろいろ抱えている人にとっては難しい働き方です。
それをしないと正社員になれないとしたら、少子高齢化社会の中で企業にとっても人材を確保することが難しくなります。
労働者側にとっても正社員になれず不安定な雇用環境に身を置くしかなくなります。
それをカバーするために作られた制度で、近年、行政でも推奨しています。

前述の 白書によりますと、限定正社員制度を導入している企業は従業員1000人以上の企業では46.8%、300人~999人では24.2%、300人未満では15.5%となっています。
導入の理由としては、育児・介護、病気治療などとの両立支援54.6%、人材の特性に合わせて雇用管理する43.0%、優秀な人材の採用28.9%、となっていて、専門性や生産性の向上、非正社員から正社員への転換の円滑化、人件費の抑制と続いています。
労働者側が限定正社員を希望する理由は、意外にも「余暇時間を大切にしたい」が男性、女性ともに60%台後半を占めています。続いて介護との両立が男女ともに30%半ばから40%、育児との両立は女性は60%、を超えていますが、男性は30%を超える程度です。

さて、実際に限定正社員制度を導入してみると、社員の定着率が上がったとする企業が11.9%、と少ないながらも効果が上がったと答えています。労働者側は、不満なしが正社員は80.3%、限定正社員は66.3%と概ね満足して働いているようですが、正社員で19.7%、限定正社員で33.7%が不満ありとしていて、限定正社員側で不満を感じている人が多くなっています。
不満の理由は、正社員、限定正社員ともに不合理な賃金格差が1位となっていて、正社員にも限定正社員との合理的な賃金差となっていないと感じている人がいるようです。働き方改革でも挙げられている「同一労働、同一賃金」の実現が望まれるところです。
大切なのは、正社員も限定正社員も納得のいく賃金制度を作ることだと思います。
ある社労士が「同一労働、同一賃金」を「化け物みたいのが出てきた」と評していましたが、確かに、今までの雇用慣行の中では改善に取り組むことはなかなか大変だろうと感じます。
また、余暇を大切にしたいとする人が増えていて、企業側と労働者側の意識のずれのようなものも感じられます。働き方改革は、すでに労働者側の意識の中でとっくに始まっていたことなのではないかと思いました。

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