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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる12年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

「働き方改革」労働安全衛生法の改正

当地は、樹々が色づきはじめました。歩道に枯葉を見つけるようになり、晩秋から初冬という私の好きな季節の到来だなと思う今日この頃です。
さて、このところ、必要があり働き方改革関連の労働安全衛生法の改正について調べています。私の場合、労働安全衛生法は、労働基準法などに比べるとあまり条文も読まないし、地味めな法律というイメージなのですが、今般は私だけかもしれないけれど、「ほぉー」という改正がありました。
それは、66条の8の3で、事業者に対する労働時間の把握義務を条文化したことです。条文をそのまま記載しますと、
「事業者は、第66条の8第1項又は前条第1項の規定による面接指導を実施するため、厚生労働省令で定める方法により、労働者(次条第1項に規定する者を除く)の労働時間の状況を把握しなければならない。」とあります。
これを読み解くには条文、省令など根気よく追っかける作業が必要ですが、要するに、長時間労働をして疲労の蓄積のある労働者について本人の申し出により医師による面接指導を実施する義務が事業者にはありまして、そのためには労働時間を把握しなければならないから、ちゃんと把握してくださいということが法律条文になったということです。

 労働基準法では、法定時間外労働、休日労働、深夜労働に対する割増賃金を支払う規定があり、そのためには、当然、労働時間を把握しなければならないため、事業主には労働時間の把握義務があるというのは「自明の理」というような考え方があり、労働時間の把握義務は当たり前とされてきました。他にも、労働時間、休日、休暇などの規定があり、これらを守るためには労働時間を把握しないと守れません。賃金台帳の作成により、労働時間を記載する義務もあります。でも労働時間を把握しなさいと、はっきりと明文化されてはいません。
それが、過重労働気味の労働者に面接指導を受けさせるためとはいえ、明確に労働時間を把握
しなさいと法律条文上に書かれたのは初めてで、良かったです。
罰則はと見てみると、労働時間の上限規制から外れる高度プロフェッショナル制度と新技術、新商品の開発研究業務の労働者に対する面接指導義務違反には、罰則(50万円以下の罰金)が設けられましたが、労働時間把握義務違反には罰則がないようです。
とは言っても、労働基準法の方で割増賃金支払い義務違反は6か月以下の懲役または30万円以下の罰金という罰則があります。労働時間の把握をいい加減にして割増賃金支払いを怠ると罰則の対象になるということになります。

ついでに書きますと、今まで、面接指導は法定時間外労働・休日労働が月100時間を超えて疲労の蓄積が認められる労働者の申出により行うとされていました。
改正法では、100時間から80時間に短縮され、該当労働者に対して事業者が労働時間に関する情報を通知しなければならないとされ、それにより本人が申出たら実施するというように変わるようです。最終的には省令が出てからでないとわかりませんが。
この他にも高プロ制度に関連する改正もあり、まだ省令がでてないので、その前段階の労働政策審議会の労働安全衛生部会の情報を見たりと、昨日から今日にかけて、えらく時間を費やしてしまいました。
でも、何となく、読み解けて、これから省令が出たら、再度確認するつもりですが、少しすっきりしました。「答えは条文にあり」。まだまだ道は続きます。

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