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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

注目される有給休暇の計画的付与

 今年の4月1日から働き方改革関連法が順次施行されますが、有給休暇を年5日必ず取得させる(10日以上ある労働者に限る)という労働基準法の改正について、頭を痛めている企業関係者も多いようです。
今までは、法定の要件どおり付与しておけば、労働者が取得しようがしまいが、それは労働者の裁量に任されていて、取得を申し出た場合には「はい、どうぞ」と休暇を認めていれば法律上の義務は果たしたことになっていました。
しかし、改正により付与した上で、さらに5日取得させるところまでが義務となりましたから、今まで以上に管理を徹底しなければならず、また、取得しようとしない人に対してとにかく取得させるようにしなければならなくなったのですから、義務が重くなったといえると思います。
最初、私は、年5日ぐらいは皆さん取得しているでしょと思っていましたが、社労士仲間などに聞くとそうではない事業所もたくさんあるらしいということがわかりました。
そこで、今、注目されている?のが労働基準法第39条第6項にある「計画年休」の制度です。

 この規定は、さかのぼること30年以上前、昭和62年の労働基準法改正により設けられたものです。といかにも私が知っているふうですが、いろいろ調べたところそうなんだなとわかった次第です。
昭和63年1月1日の通達(基発1号)によると、有給休暇について完全取得が原則の欧米に比べ、「きわめて低い水準にとどまっていることをかんがみ」取得率を向上させ、結果、労働時間を短縮させるという目的で改正されたことがわかります。
この制度は、労使協定(届出不要)により、有給休暇の5日を超える分については、つまり、5日は自由に使えるように残しておいた上で行うのですが、労使で話し合い取得する時季をあらかじめ決めることができる制度です。

使用者にとっては、いつ取得されるかわからないより、事業運営上、都合の良い日を選んで取得してもらうようにできますから、取得率の低い事業所にとっては悪くはない制度だと思います。
私としては、本来、有給休暇は労働者側に主導権があり、いつ取得しようと何のために利用しようと自由であるという大原則からちょっと外れているなと思うので、こういう制度がありますよとお客様には説明しますし、就業規則を作成するときには必ずそれをやろうとすればできる条文は入れていますが、あまり強く勧めたりはしません。

今般の改正により、5日取得させることが厳しい事業所にはこういう制度がありますと、厚生労働省や、社労士などの専門家も盛んにアピールしているようです。
前述の通達を読むと、事業所一斉に休む、斑ごとの交替制の他、個人ごとに指定することも認められています。個別の場合は、計画表を作成する時期、手続き方法などを協定すればよいとあり、特に時季を明確にする必要はないと読めます。個別に対象者を絞れるのであれば、要件を満たせず5日以上ない人や、個人的事情により自分で決めて取得したい人などを外すということも可能になりますので、かなり柔軟に運用できるのではないかと思います。

それにしても、有給休暇を取得しないまたはさせないという空気は、30年たっても変わらない事業所は変わらないのねと、ちょっと驚きました。有給休暇の取得率の低い事業所はダメダメ事業所だという空気を作らない限り変わらないのでしょうか。

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