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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる12年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

自己学習は労働時間か?

10連休という過去最高に長いゴールデンウィークも終わりましたが、まだ、今日あたり街は静かです。連休中仕事だったサービス業の会社が結構休んだりしているからではないかと思います。
行列と人混みが苦手な私は、寝坊、読書、趣味、ちょっぴり仕事で終わりました。
時間的な余裕ができて、長い休みというのもいいものだなと思いました。折しも働き方改革の時代、長期連続休暇も習慣になっていくといいなと思います。
さて、働き方改革といえば、長時間労働の上限規制が施行されて(中小企業は2020年4月1日より施行)、労働時間管理の重要性が益々高まると思います。
購読している雑誌(『ビジネスガイド』6月号53頁 弁護士佐久間大輔氏著)に自己学習を労働時間として認めた労災の再審査請求事例が掲載されていました。
通常、労働者が業務のために私的に勉強した時間は、使用者の指示がなく自発的なものについては、労働時間とはならないとされてきました。
しかし、近年、業務に密接な関連があり、業務を行う上でどうしても必要な知識、技術を得るための自習だった場合(札幌高裁判平25.11.21)、トヨタ自動車のQCサークル活動が労働時間とされた例(名古屋地裁判平19.11.30)などの裁判例がでています。
トヨタ自動車の件については、当ブログでも過去記事にしています(
参照)。
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 冒頭の雑誌記事の事例は、裁判例ではありませんが、使用者としては知っておくべき事例だと思います。
記事によると、国立病院の職員として入職した労働者Aさんがうつ病になり自殺した事例で、遺族が労災を申請したところ、認められず、審査請求も棄却されましたが、再審査請求では、Aさんが業務のために勉強していた時間も業務を完遂するためには必要な時間であったとして、労働時間として認めたことから、過重労働による労災となったということです。
Aさんは、400人余りの病院職員の給料計算事務を一人で行っていました。医師、看護師、検査技師、事務職など、給料体系が多様であり、期限が厳しく間違いが許されない仕事ですから、プレッシャーを相当感じながら仕事をしていたようです。
勤務時間終了後も税務や社会保険についてパソコンで調べたりして自己学習していたようです。

当該記事によると、Aさんは2015年3月に入職して給料事務に従事し、2016年1月に自殺しました。400人余りの職員の給料計算業務という極めて重要な事務を新人職員一人に任せていたというところが、労務管理としてはどうだったのかなと非常に疑問に思います。
私は行っていませんが、社労士にも給料計算業務をしている人はたくさんいます。やはり、期限をきちんと守らなくてはならない仕事ということで大変なようですが、計算ソフトなどを使っている方が大半だと思います。
適性なソフトなどを使っていたのだろうかなども疑問点として浮かびます。
何よりも、うつ病になり自殺するところまで追い込まれる場合、周りから見て明らかに異変を感じる状況に本人がなっているのが普通ではないでしょうか。
使用者としての管理責任が問われる事例だと感じました。

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