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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる12年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

終身雇用制の終焉

私が社労士なった のは2006年(平成18年)です。それから、労働法関連の改正が随分あり、とうとう「改革」などと大仰な話になりました。
しかし、現実はもっと先をいっていてというか、行かざるを得ず、経団連会長や日本を代表する大企業の会長が「終身雇用制の維持は難しい」と表明しました。
昭和22年に制定された労働基準法第1条第1項には、「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。」とあり、「人たるに値する生活とは、本人と標準家族の生活をも含めて考えるものとされている。」とわざわざ行政通達まで出しています。
本人のみならず、家族の生活も考えるという一人の働き手を頼みとして生活していた時代だと感じられますが、一応なお書きがあり、「標準家族の範囲はその時その社会における一般通念によって決定される。」としています。
一人の働き手を頼みとする時代だったんだろうなと思われますが、変化する可能性も示唆しているようにも見えます。現実に、現在では「標準家族」って何?と思うぐらい多様化していますから。
そのような時代では、簡単に解雇されても困るし、弱い立場の労働者を守る方向に労働法がいくのは当たり前だったと思います。労使ともに安定志向で、「従業員は家族同然」と考える経営者が良い経営者との考え方もあり、終身雇用制が高度経済成長期の柱になったともいえると思います。
それでも、同時に、前述の通達で「労働条件の低下の原因が社会経済情勢の変動等の決定的なものである場合には、労基法1条に抵触しない」としています。
今、社会は大きく変革しています。グローバルの競争にさらされ、技術革新は日進月歩、世界標準から外れていると生き残れないかもしれない時代です。終身雇用制が崩れるのは自然の流れだと思うし、現実にもう始まっているように見えます。

しかし、経営者が堂々とそれを今言っちゃうんだねと、ちょっと驚きました。
現在の雇用環境は、正規、非正規で労働者の処遇が相当違います。労働者が分断されていて、労働組合も機能していない。能力とスキルのある人は軽やかに動いていける時代になってきたと思いますが、ごく普通の能力の人は、やはり安定した職場に身をおきたいと思っているでしょう。
そこで、いきなり「もう終身雇用制やめます。」と言われてもと思うでしょう。
経営者が「終身雇用制をやめる」と言うのであれば、まずは、正規、非正規、年齢、性別、学歴などにかかわらず、現実の仕事ぶりに対して正当な評価をして、正当な報酬を支払うという制度を確立しないと、労働者は軽やかに職場を変えることができないのではないでしょうか。

世界標準というか欧米の標準は、同じ仕事に対しては同じ賃金です。映画やものの本で見たり、経験者の話を聞いただけですので、あくまでも私の推測ですが、目の前にいるその人が今何ができるかで評価しているように感じます。
日本の生産性の低さはずっと言われていますが、雇用が安泰なので怠けているが給料が高い正社員と、一生懸命頑張って仕事をしても実入りの少ない非正社員との処遇格差を何とかしない限り、生産性は上がらないのではないかと思います。
もちろん、過度な責任を負わされ、心身に不調をきたす正社員と、お気楽な非正社員という構図もあるかもしれません。すべての労働者を人材として活かしきれていないという現象があちこちで起きているのではないかと、全くの私見ですが思っています。
本当の意味での「同一労働同一賃金」にシフトしていくのがいいのではないかと思います。



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