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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

賃金債権の時効の拡大は?

民法の債権に関する時効 についての規定が改正され、2020年4月1日施行されることから、関連する労働基準法にある時効の規定についても見直しが行われるだろうと予想されていましたが、労働政策審議会で審議に入ったことが公表されました。
消滅時効とは権利を行使しないことにより権利が消滅する期間のことをいいます。
現行民法は、債券の消滅時効を10年と定め(167条)、その他様々な短期の例外を定めていますが、これを、知ったときから5年間として、短期消滅時効を廃止する改正が行われます。
例外の一つとして「月又はこれより短い期間によって定めた使用人の給料」について1年間としています(174条)。
しかし、特別法である労働基準法により「賃金、災害補償、その他の請求権」は2年として民法を修正する形となっています(退職手当は5年、115条)。
したがって、労働基準法を優先して、現在、賃金の不払いについては2年間さかのぼって請求できます。逆に言えば2年より前の賃金不払いについては請求できないということになります。
また、有給休暇も労働者がもっている「債権」ですから、2年間は権利の行使ができるので、付与された年度で消化しなかった日数は次年度に繰り越せるということになり、どこの会社でもそのように運用されているものと思います。

民法の改正により、これらも5年に統一されるのかもしれないと言われておりました。
労働政策審議会の「賃金等消滅時効の在り方についての検討会」の発表では、2年間とする合理性が乏しく労働者の権利を拡充する方向で一定の見直しの検討が必要としています。
一方で、大量かつ定期的に発生する賃金債権の特殊性や、企業活動への影響、コストなどについて留意して具体的な期間については検討が必要としています。
また、有給休暇については、休暇取得を促進するためには、時効期間の拡大はそれに逆行するため、必ずしも賃金債権と合わせる必要はないとの結論を出しています。(
参照)


実務的に賃金債権の時効が問題となるのは残業代の不払いの問題が起きたときなどが代表例でしょう。現行、2年ですが、それが5年となると5年さかのぼって支払うのはかなりの負担増です。記録の保存も賃金台帳など現行3年間ですが、これも延びるとなると企業の負担も大変です。
ただ、私は、お客様には債権の時効に合わせて10年間は保存しておいた方がいいとの考えを伝えることがあります。
それほど積極的に言ってるわけでもないのですが、自分の考えとしてはそう考えています。会社法でも帳簿は10年保存だったと思いますし(昔勉強したときの記憶で定かではありませんか・・)
本当は、そういうことを心配しないように不払いなど発生させない労務管理を徹底することの方がずっと大事だと思いますが、労働者側が思いもよらない主張をしてくる場合も考えらますから、やはり記録の保存は大事だろうということだと思います。
今後の動きに注目していきたいと思います。

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