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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる12年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

正当な争議行為とは

 先週のお盆休み真っただ中、東北自動車道上りの佐野サービスエリアでフードコートなどの売店を運営する会社の従業員がストライキに突入して、売店が閉鎖したというニュースがありました。
社労士としては、興味を持たざるを得ないニュースです。
何故って、厚生労働省の調査などによると、労働組合の組織率は今や推定17%という状態です。しかし、「労働組合法」は労働法の中では結構重んじられていて(私見です。のように感じられる)学者の先生の書籍などにはかなり詳しく記載されています。
なので、私も労働組合法の条文は読んではいますが、実際にその条文に沿ってコンサルタント業務をした経験はありません。そんな中、ストライキまでいくのはよほどのことなのではないか、当該労働者の皆さん、元気ありますねーと思ったからです。
ネットで検索してみると、東京都でも「組合づくりのハンドブック」(
参照
)という冊子を作っていました。これを読むと労働組合法に書かれていることを詳細にわかりやすく解説していて、いい冊子だなと思いました。
さて、この問題について偶然テレビニュースを見ていたところ、特定社労士の方が出てきて解説していらして、「おおー、とうとう弁護士ではなく特定社労士も呼ばれるようになったのか」と拝見していたところ、「正当なストライキ」かどうかが問題になるというようなことをおっしゃっていました。そうだったですねと、翌日事務所で早速手持ちの『労働法第十版』(菅野和夫著 弘文堂)を紐解いてみました。

労働組合とは、本来、労働者が主体となり自主的に結成された団体(2人以上なら結成できる) で、労働条件の改善や労働者の経済的地位の向上が目的とされます。ですから、単なる親睦のためとか、政治的な活動が目的などという団体は労働組合とはなれません。
ストライキについても組合の権利として認められ、正当なストライキであれば刑事、民事ともに免責されます。ですから、正当な争議行為であれば、会社側は、労働者に対してお盆のかきいれどきに何してくれるんだと損害賠償請求などもできませんし、威力業務妨害などの罪に問われることもないということになります。
だからといって、いかななる場合も暴力の行使は正当な行為とはならないとも条文に書かれています(1条2項但し書)。

では、「正当な争議行為」とはどのようなものなのかが気になりますが、これについては、まず手続き的な
ところでいうと、組合員、または組合員の直接無記名投票で選挙された代議員の直接無記名投票による過半数の決定によらなければならないのですね(法第5条2項8号)。
そして、ストライキを行う理由としては、労働組合の目的である労働条件に関することとなります。

冒頭のフードコートの労働者は、報道によると組合員の上司である部長の解雇に反対してストライキを行ったとあります。
もちろん、そこに至るまでに様々な交渉があったはずで、報道では個別の具体的内容がわかりませんから、私には何とも判断できません。
テレビに出てらした特定社労士の方もキャスターの質問に答えて一般論を話されていて、当該ストライキの正当性については言及されていませんでした。
「解雇」というのは経営者側の人事権に関わることで労働者の労働条件闘争とは違う問題です。ですから、通常は、ストライキの理由とはならず、それのみをもってストライキをしたのであれば、正当な争議行為ではないということになります。
しかし、前述の『労働法』には「一見管理者の人事に干渉する要求であっても、その真意が組合員の労働条件の改善要求にあると認められれば正当性が肯定される(大浜炭鉱事件最二小判昭24)」とありました。

ですから、この問題は詳細について検証しないと正当な争議行為かどうかはわかりません。
でも、労働組合法を久しぶりに読んで勉強する気にさせていただいた事件なのでした。労使ともに歩み寄り、良い解決の道があることを祈りたいと思います。

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