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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

傷病手当金と育児休業給付のW受給

私が 所属する社労士会の研究会の定例会では、会員有志が提出したQ&A原稿(A4一枚程度)を出席者全員であーたらこーたら議論してより良い原稿に仕上げ、ご縁のある専門雑誌に発表させていただく活動を続けています。
それだけではなく、時間があるときなど、業務上疑問に思ったことなど「こんなとき、あなたならどうする?」的な話をすることも多々あります。
その場だけでは足りず、その後にメーリングリストで意見交換をするときもあります。
最近話題にのぼったことが表題とした「傷病手当金と育児休業給付のW受給」です。
ある会員の経験談で傷病手当金を受給中の人が育児休業給付を同時に受け取れるかという質問があり、管轄ハローワークに問い合わせたところ、傷病手当金を受給している間は、育児休業給付を申請できないとの回答を得たということでした。
傷病手当金というのは健康保険からの給付で、私傷病により労務不能となり連続して3日以上休んだ後、4日目から給料が支払われない(支払われて傷病手当金より少なければ差額支給)場合に受給できます。
育児休業給付は、雇用保険からの給付で満1歳までの子を育てている(要件にかなえば最大2歳まで延長できる)被保険者に対する給付です。

 いずれも被保険者への給付です。それぞれの要件にかなえぱそれぞれ算定方法が違いますが、概ね前者は給料の3分の2、後者は前半6か月は概ね給料の3分の2、それ以後は2分の1の給付が受給できます。
それぞれの管轄窓口が違いますので、互いに連動はなく、要するにお金の出所が違いますから、互いにそれを確認する法的規制もなく、併給を制限する法律もないので両方受け取れるシステムとなっています。
両方受け取ると100%以上の給付を受け取れることになります。

会員の意見としては、法律で併給の制限がない以上労働者のためになるのだから受給するよう手続きすればよいとする意見もあります。
また、実際、あるハローワークに問い合わせたところ、併給してはいけない規定もなく、そのような上からの指示もないと言ったとのことで、冒頭の会員が問い合わせたハローワークとは見解が違うようです。
このような事例は私自身は経験したことがなく(手続き業務はもとからあまりやりませんが)、レアケースなのかなと思いましたが、ネットで検索すると、実際に受給した方やダブル受給できると断言している社労士、弁護士、ファイナンシャルプランナーなどのサイトがありました。

私自身はタプル受給には疑問を感じています。
傷病手当金の条件である「労務不能」は、寝てなくてはいけないなどの意味ではなく、通勤ができないとか、病院に行かなくてはいけないなどの理由で仕事ができない場合も含まれるという通達があり、「労務不能」であっても育児ができる場合は当然あるでしょう。
しかし、すでに「労務不能」として欠勤状態にある人が、さらに「休業させてほしい」というのはおかしくないでしょうか。だって、もう休業してるでしょ? 身体は一つ、どっちの理由で休業するか選択しないとおかしくないでしょうか。
さらに、両方とも労働者の所得保障という意味合いがあるのなら、100%以上になるのはおかしいのではないでしょうか。最大100%ではないでしょうか。

休業している人をカバーして一生懸命働いている人がそれを知ったら「はぁーーー?」となって、家に帰って酒でも飲まないとやってらんないとは多分ならないでしょうが・・・。

冒頭の会員は、両方の給付を受けた場合、会社としては「育児休業」にするのか、「労務不能の傷病」にするのか困ると言っていました。
前者だと権利としての休業のため出勤率の計算については出勤したことになる、後者は自己都合による欠勤ですから、これは出勤したことにはならない、というわけです。そもそも育児のための休業と、本来の仕事ができないために休業するのは全く違います。

いろいろと問題をはらんでいるような事例です。
ハローワークにより見解が違うのはちょっと困ることだなと思います。というわけで、次回の例会でもその話をすることになっています。
思えば、月に一度の例会も来月あと一度となりました。月日のめぐりは早いです。
当地は本日急に寒くなりました。皆様、風邪をひかないようにお元気でお過ごしください。


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