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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

休日を減らして有給休暇取得?

 昨年から順次施行となっている「働き方改革関連法」に関係して、昨日の朝日新聞に有給休暇取得を奨励して、その分休日を減らすという話が掲載されていました。
昨年4月から施行されている有給休暇取得の義務化(年10日以上付与された労働者に5日は必ず取得させる事業主の義務)に伴い、有給休暇を取得させ、その分以前からあった休日日数を減らす企業があるという話です。
昨年施行時から所属する社労士会の研究会で話題になっていて、そのような企業があることは知っていましたが、その実態が報道されていました。
東証一部上場のコーヒーチェーン店のある企業は、法施行前の昨年3月に就業規則を改正して土日、祝日、年末年始としていた年間休日を暦上の祝休日に関係なく一定日数に固定して、2019年度はそれまでより8日休日を減らし出勤日として、「有給取得奨励日」としたそうです。

 背景には、有給取得のことばかりではなく、残業時間の上限規制が厳しくなったことも関係していると言われています。
年間の稼働時間を法を守りつつなるべく減らさないためには休日を減らすしかないとの考え方のようです。
休日については、労働基準法で1週間に1回または4週間を通じて4日以上付与すればよいとなっています。ただし、1週40時間、1日8時間という労働時間の制限もありますから、1日8時間労働の会社なら週2日の休日取得が必要となります。それ以上に労働時間をとりたい場合は36協定により労使で協議して時間数を決めて残業するということになります。もちろん、その時間の割増賃金が必要となります。
今まで、年間6か月に限り特別条項付き36協定を結び、事実上時間制限なく働かせることができましたが、昨年4月から(中小企業は今年4月から)法律で上限時間が決められたため、労働時間のやりくりが大変になった企業もあるようです。

当該企業もそういうことで、就業規則を変更したのでしょうが、同じようなことをしている会社が意外とあることが記事に記載されています。
厚生労働省では法の趣旨に反して望ましくないとの見解を出しています。
働き方改革の目的の一つは長時間労働の抑制にありますから、今までと同じ労働時間を確保するために休日を減らし、その分有給休暇を取得させ、ついでに取得義務も果たすというのは、いかにも事業主だけの都合という印象です。
そもそも、有給休暇は、労働者の権利でありいつ取得しようと何に利用しようと労働者が決めることです。「奨励」にしてもその権利の行使を阻害するような方向にいくのであれば、法律の趣旨に反した行為です。

今までの労働時間を確保するための苦肉の策と経営者側は考えているのかもしれませんが、それでは「働き方改革」にはなりません。改革というからには大胆な発想の転換が必要であり、そういう会社に人材が集まるということを経営者はもっと意識すべきだと思います。

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