FC2ブログ

おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

パワハラ指針を読む

1月16日の記事でパワハラについて書きましたが、記事中、指針が今月中に出る予定と書いていましたが、すでに記事を書いた前日15日に官報で発表されていたことが、別件を調べていたときにわかりました。
官報はネットで直近30日分が確認できるのですが、あまり見ないので気つきませんでした。お詫びして訂正します。
というわけで、早速「令和2年1月15日 厚生労働省告示第5号」を読んでみました。
A425ページと言っても字が大きくて行間も広いので、多分普通の感覚だと半分ぐらいにはなるかと思います。
まずは、何をもってパワハラとするかについてですが、①優越的な関係を背景としている ②業務上必要かつ相当な範囲を超えている ③ 労働者の就業環境が害ざれるもの の三つをすべて満たすものとしています。
「客観的に見て業務上必要かつ相当な範囲で行われる適性な業務指示や指導については」該当しないとしています。このあたり、「客観的に」がどこまで一般化できるかがややわかりにくいですね。でも、このような表現にならざるを得ないのでしょう。

①に挙げられている 「優越的な関係」についても示されています。
当該言動を受ける労働者が「抵抗または拒絶することができない蓋然性が高い関係」だとして、職務上の地位が上位、業務上必要な知識や豊富な経験を有していて当該者の協力を得なければ業務の円滑な遂行を行うことが困難である、同僚又は部下からの集団による行為で抵抗又は拒絶することが困難と例示されています。
ですから、必ずしも上司から部下ばかりではなく、同僚や部下からでもスキルが高い人から低い人に対するパワハラ、1対1ばかりではなく、集団による無視やいじめなども想定していて、きめ細かくなっています。

②に挙げられた業務上必要かつ相当な範囲というのが判断が難しいところだと思いますが、「社会通念に照らし」明らかに必要性がない、相当でないものを指しとしています。最終的には、様々な要素(言動の目的、問題行動の有無や内容、経緯や状況、業種、業態、業務の内容、性質、言動の態様、頻度、継続性、労働者の属性、心身の状況、行為者との関係性等)を総合的に考慮するとあり、うーん、これは大変だなーという内容です。

最後の就業環境を害するということですが、労働者が身体的又は精神的に苦痛を与えられ、就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な影響が生じる等、「看過できない程度の支障が生じること」としています。
この判断は「平均的な労働者の感じ方」としています。
このあたりが気になるところですね。では、感受性の鋭い人とか、敏感に感じやすい人についてはハラスメントにはならないと判断されてしまうのでしょうか。
その他に、ハラスメントの類型や相談窓口での対応、周知・啓発活動を行うことなどが書かれています。
これを読んで、「わかった!」と思える人は多くはないのではないかと思います。判断するのはなかなか難しいかもしれないと思う人の方が多数派ではないでしょうか。

所属する社労士会の勉強会で数年前だったと思いますが、「やられた方がハラスメントだと言ったらもうハラスメントだと考えた方がいい」と大先輩がおっしゃったことがあります。
確かに、そう考えた方がすっきりすると思いました。
平均的な労働者を判断基準にしてしまうと、「ストレス脆弱性」のある人を救うことができなくなり、そういう人の方が心身の調子を崩しやすいわけですから、会社としては、そのような人こそ目配りしてあげなくてはいけないのに、その人は平均的な感覚ではないのだから、放置していてもパワハラではないなどと判断する可能性があります。
ハラスメント問題は「平均的」で片づける問題ではなく、あくまでも個別にきめ細かく当事者に合った対応をするべき問題だと私は考えています。
「トラブルは芽のうちに摘む」はハラスメント問題も同様だと思います。まずは、社内での周知啓発活動に力を入れていただきたいと思います。

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する