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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

派遣社員に対する健康格差?

 災害など緊急事態が起きると、だいたい弱い立場の人がより被害を受けるのが世の常のように思います。
今朝のテレビ番組でIT企業で働いている派遣社員の方の話がありました。
正社員には在宅勤務が認められているため半分ぐらいは在宅勤務となっている。派遣社員にも在宅勤務を認めてもらえないかと聞いたが、契約書にそのようなことは書いていないのでできないとの話で、感染するかもしれないとの恐怖を感じながら満員電車で通勤しているそうです。
様々な労働条件が正社員と違うのは仕方ないと思っているが、健康に関わることまで格差があるのは悲しいというような話をされていました。
派遣社員については、派遣法で派遣先の義務が定められています。

 その中で、第45条で特例として労働安全衛生法にいう「事業者」となることが規定されています。
本来、労働安全衛生法は、直接雇用契約を結ぶ使用者と直接その事業所で雇用契約をして働く労働者に適用される法律ですが、派遣元(労働者を派遣する人材派遣会社など)と雇用契約を結んでいる派遣労働者も、派遣先会社の指示命令を受けて働く労働者なので、派遣先にも派遣労働者に関する安全衛生面での注意義務などを課しているのです。
したがって、派遣社員に対して職場環境を整える義務などがあります。
セクシャルハラスメントなどの各種ハラスメントの禁止なども、直接派遣社員が働く職場の管理者である派遣先が措置をしなければなりません。

適用される労働安全衛生法の第三条には、労働災害の防止の他、快適な職場環境の実現と、職場における労働者の安全と健康を確保しなければならないなどと規定されています。
この条文は派遣社員にも適用されますから、「健康と安全の確保」については派遣社員と直接雇用の労働者と差別することはできません。
しかし、当該事例は、判断が難しいところです。
職場そのものにリスクがあるわけではなく、通勤途中の満員電車がリスクがあるということなので、本来は通勤そのものは、使用者の管理下にはなく労働者の責任により行うものだからです。
在宅勤務の選択についても使用者側がもつ人事その他会社の運営管理の権限と責任において行うべきものと考えると、派遣社員は除くとしても強くは責められないのではないかと思います。
もちろん、職場に感染者か出たら、正社員と派遣社員の区別なく保健所等の指示に従うことになると思いますが(指定伝染病のため法律で就業制限などがあります)。

これはむしろ直接雇用契約を結んでいる派遣元が、自ら雇用している労働者に対する安全配慮義務を果たすために、派遣先に要請することかなとも考えられます。しかし、「そんなこと言うんなら、お宅と派遣契約やめます。」などと言われる可能性もあり、難しいでしょうか。。
私が当該派遣先企業に相談を受けたとしたらどう答えるだろうか。

法律上はそうなっていることを説明して、でも、今は一種の非常時であり、法律云々より御社で働くすべての労働者の健康と安全を守るという方向で考えていただいた方がよいと思います。
臨時的、一時的なことですから、契約の規定や社内規程に縛られることなく、臨機応変に対応したらいかがでしょうか。
もし、在宅勤務が可能なら、派遣社員さんにも臨時的にやっていただけば、通常の業務にもどったときにも、気持ちよく働いていただくことができると思います。人としての感情がありますから。感情って怖いですよ。
そんなところでしょうか。

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