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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

コロナ感染と労災

 労働基準法では、第8章(75条~88条)で業務に起因する災害補償について規定しています。業務中、業務が原因で労働者が負傷した場合や、死亡した場合などは事業主に補償義務があります。
しかし、大きな事故や災害の度合いが大きい、または、それほどではなくても、もともと事業主にそれだけの財力等がないと十分な補償がされず労働者が不利益を被ることになります。
それを避けるために、労働者(正規、非正規は関係ない)を一人でも雇用した事業主(農業その他一部事業は例外あり)は国が管掌する労働者災害補償保険に加入することが法律で義務づけられています。事業主は、支払った賃金に対する労災保険料率により計算した保険料を支払い、業務上の疾病についての補償に備えることができます。
今般の新型コロナ感染症と労災補償の関係はどう考えたらよいでしょうか。本感染症の場合、感染経路が不明な場合も多く、どこで感染したかわからなければ、業務に起因しているかなどについて確認することができません。
厚生労働省では、どのような場合が労災として適用対象となるかについて、通達を出しています(令和2年4月28日基補発0428第1号)。

 それによると、業務により感染した蓋然性が高く、業務に起因したものと認められる場合は該当するとしています。「蓋然性」とはそうなることの確率が高いと考えられるというような意味です。具体的な事例として、医療従事者や介護の業務に携わる人については、業務外で感染したことが明らかである場合を除き、保険給付の対象とするとしています。
その他の労働者の場合は、まず、感染源が業務に内在していたことが明らかに認められる場合には、労災給付の対象となるとしています。
その他の労働者については、感染リスクが相対的に高いと考えられる環境下での業務、例えば①複数(本人を含む)の感染者が確認された職場で働いている、②顧客との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務となっていて、個々の事案に即して適切に判断することとしています。
海外出張に関しては、出張国の発生状況により判断すること、海外派遣特別加入者については、国内労働者に準じて判断することとなっていて、最終的には個別の案件ごとに判断されることになるようです。

相談があった場合には、考え方について「懇切丁寧に説明する」とともに、対象となるか否かの判断は「請求書が提出された後に行うものである」ことを併せて説明するようにと記載があります。
まずは、事業所を管轄する労働基準監督署に相談して、対象となりそうであれば請求書を提出した方がよいでしょう。
労災の補償は、治療費が全額労災保険で賄われ、休業補償も平均賃金の8割が受け取れる仕組みになっていますので、労災補償が受けられれば非常に有利です。
そんなことも労働者として知っておくと良いと思います。

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