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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

パワハラの判断基準

 以前、ある大先輩社労士が、「ハラスメントはやられた方がハラスメントだと言えば、ハラスメントになる」と言ったことがありました。
確かに、セクハラなどはそのような傾向が強いと思います。
根拠となる男女雇用機会均等法第11条では、職場において行われる性的言動について、労働者が労働条件で不利益を受けたり、就業環境が害されることのないように事業主に管理措置義務を課しています。
「性的言動」について同じ言動でも人によって不快になる度合いというのは違うかもしれません。日常の半分冗談ぐらいに感じる人もいれば、すごく不快に思う人もいるかもしれません。ただ、近年はセクハラの概念も確立し、職場で性的言動というのはしにくくなっているのではないかとも思いますし、冗談として受け流すよりきちんと不快感を示すべきだと考える人も増えていると思いますから、「やられた方がハラスメントだと言えばハラスメントになる」という言説は、成立しやすいと思います。
今年、法制化されたパワーハラスメント(以下パワハラ)はどうでしょうか。

 労働者側が「パワハラを受けた」と感じてもそれが法律上のパワハラになるかは様々な角度から検証してみないと明確にはなりません。
実は、最近、私の関与先でそのような案件があり、自ら退職を申し出て自分の都合による退職だと会社側は判断しましたが、離職理由をめぐって労働者はパワハラによる離職だとハローワーク窓口で主張したらしく、離職理由についての問い合わせがあり、文書で回答を求められました。
事実関係の説明と会社側の調査結果などA4で4枚ほどの文書にまとめ提出しました。もちろん、パワハラについては法的根拠を示して否定しました。
詳細については守秘義務がありますから、控えますが、パワハラについて誤解をしている労働者が結構いるのかなと感じました。

ここからは一般論として書きたいと思いますが、まず、パワハラについては、「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」に基づき、今年の1月15日に厚生労働省から指針(告示第五号)が出されています。
まず、パワハラの定義ですが、①優越的な関係を背景とした言動 ②業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの ③労働者の就業環境が害されるもの 全てを満たすものとなります。
客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行わる適正な業務指示や指導についてはパワハラに該当しないとの記載もあります。
労働者の就業環境が害されているかの判断は「平均的な労働者の感じ方」すなわち、同様の状況で当該言動を受けた場合に、社会一般の労働者が、就業する上で看過できない程度の支障が生じたと感じるような言動であるかどうかを基準とすると記載されています。
このくだりは非常に大きいです。

労働者側がいくらパワハラを受けたと主張してもそれを目撃していた他の多くの同僚等が、「あれは普通の業務上の指導でしょ」と感じていれば、パワハラとは判断しないということです。
パワハラについては、過剰な意識を持っていたり、業務上必要な指導まで自分を否定されたと感じてパワハラだと主張するようなことは、なかなか難しいのではないかと思います。
もちろん、前後のいきさつや日頃の関係性、当事者の心身の状況など常に総合的な判断が必要だと思いますが、労使で何がパワハラになるかのかという共通認識を日頃から醸成しておくことも必要なことかもしれません。


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