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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

コロナと安全配慮義務

 「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」
以上は、労働契約法第5条の条文です。比較的短い条文ですが、労働契約上、かなり重要な条文です。「安全配慮義務」と言われ、使用者に課せられた義務です。
物理的な環境の整備もそうですが、パワハラ、いじめなどがないようにする、心身の健康についても配慮する、具合の悪い人を無理に働かさない、過重労働にならないようにするなどもこの義務の中に入ります。いわば、使用者に課せられたかなり重い義務だと私は考えています。
近年の裁判例などにもよくでてきます。
今般のコロナ禍については、未知の感染症とのことでどこまで配慮するかは難しいところですが、厚生労働省が発表している感染対策はきちんとやらないと、安全配慮義務違反と判断される可能性があると思います。
労働者に感染防止を呼び掛ける、適度な換気、事業所内での手洗い、アルコールでの手指消毒、共同で使う備品等の適宜消毒、密にならないような配置、難しい場合はアクリル板等で飛沫を飛ばさないようにする、業務により可能ならテレワーク、オンライン会議をするなどでしょうか。
そんな中、お相撲さんが感染が不安だから休場したいと申し出て、それはできないとされて、結局自ら引退したということがニュースになりました。

 親方を通じて相撲協会に申し出たそうですが、コロナ感染に対する不安が理由での休場は認めない、全員PCR検査を受けて陰性の協会員のみが出場すると説明を受けたそうですが、出場したくなければ引退という選択肢しかなかったと本人がツイッターで説明しているそうです。
私は、相撲の世界のことはあまり詳しくありませんが、まだ22歳ですから、今は関取でなくても将来に希望をもって相撲部屋に入ったのでしょうから、いきなり引退させるという協会の処遇はどうなのかなと疑問に思いました。
そもそも横綱の白鵬も感染し、今場所も感染者とその濃厚接触者のお相撲さんが多数休場するという異例の事態です。
過去に1人亡くなったお相撲さんもいますし、共同生活をしていて感染のリスクは高いのですから、相撲協会が安全配慮義務を果たすには、場所前一度きりの検査ではなく毎日か隔日ぐらいの検査が必要でしょう(もしかしたらそのようにしてるのかもしれませんが)。アメリカのМLBやNBAなどはそのように厳密に検査を行い、感染が不安な選手に休む権利を与えているそうです。

今般のコロナ禍、日本と他の諸外国との様々な面での違いが目立ちます。
リーダーの説明の仕方、言葉、様々な組織のありよう、対策の仕方、私には日本国民でよかったと思えることはほとんどないです。みんなが積極的にマスクを着用していることとか、街中の商業施設などのトイレが清潔で必ずハンドソープなどがあり念入りに手を洗うことができることはうれしいことですが。
安全配慮義務から話がずれましたが、経営者の方には労働者の健康と安全について非常に重い法律上の義務を負っているということを強く認識していただきたいと思います。

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