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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

労働者を追い詰める裁量労働制

裁量労働制とは、業務の性質上その遂行の方法を労働者の裁量にゆだねる必要性の高い場合に、労使協定または労使委員会の決議等で労働時間、業務遂行の方法などを決める特例制度です。


労働時間については、労働者が実際に何時間働いたかに関わらず、労使協定等で定めた時間働いたものとします。


「専門業務型裁量労働制」と「企画業務型裁量労働制」とありますが、前者は新商品の開発、研究、情報処理システムの分析、その他デザイナー、コピーライター、ゲームソフトの開発、建築士、公認会計士、弁護士、税理士、等、対象業務が限られています。後者は企画、立案、調査、分析の仕事が対象ですが、労使委員会を作ったり、定期報告の義務などの要件が厳しいため、普及しているのは前者のようです。

専門業務型の限定業務からわかるように、本来は労働者の裁量にゆだねる部分の多い仕事を、1日8時間、1週40時間というような枠組みにとらわれることなく、効率よく働いてもらうための特例制度でした。


ところが、今、残業代を少なくしたいという経営者側の思惑により、裁量労働制により過重労働に陥っている労働者が少なからずいるらしいのです。


昨日も新聞でちょっとそんな話を見かけました。


出退勤の時間は自由でも、裁量労働制により1日の労働時間は何時間働いても8時間、結局月100時間余りの超過労働をしなくては仕事が終わらず、疲れ果ててうつ状態になり自殺した人の話などが載っていました。


8時間で終わるはずのない仕事量を「裁量労働制」の名のもとに労働者に押し付けているわけです。


もし、1日の労働時間を9時間と定めた場合は、1日につき1時間の残業代が発生しますが、月20時間から25時間ぐらいの残業代なら安いというわけで、裁量労働制をとる会社も多分あるでしょう。


専門業務型裁量労働制をとる場合には、労働者の過半数が加入する労働組合がある場合はその組合の、ない場合は労働者の過半数を代表する者との労使協定を結び、労働基準監督署長に届出なければなりません。


仕事量に見合った労働時間を労使でよく話し合うことが必要だと思います。結局長時間労働を助長するだけなら何のための裁量労働かわかりません。


また、裁量労働制をとる場合にも、休憩、深夜業、休日に関する規定は排除されません。休憩時間は労働時間が6時間超えたら45分以上、8時間超えたら1時間以上の休憩をとる、午後10時を過ぎたら深夜割り増し賃金が発生します。


前述の労使協定の内容の中には、労働者の労働時間の内容に応じた健康及び福祉を確保するための措置、当該労働者からの苦情の処理についての措置が義務付けられています。(平成16年改正)過重労働からうつ病になるなどということが起こったら、それらの措置をきちんととっていたか問われることになるでしょう。


入社した時に裁量労働制ですと言われたら、労使協定の内容を見せて貰いましょう。裁量労働制については大阪労働局のHP(参照)がわかりやすいので、興味のある方はご覧ください。

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