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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる16年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

戦争の破壊力は世代を超えて

私は、生まれてこの方自分の国が戦争 状態にならなかったのは、本当に幸運なことだったと思っています。近年、不穏な空気も感じますが、世界のどこかで戦争が絶えない現実の中で、日本は平和だなと思います。
そんな日本もかつては戦争をしていたこともあり、それは歴史の中に埋もれつつあると思っていましたが、そんなことはなく、戦争の悲劇は世代を超えて続いていくという記事が今朝の朝日新聞にありました。

戦後、兵隊として戦っていた人たちが続々と帰国しましたが、その中には心に深い傷を負った人も多く、無気力になり満足な仕事をしなかったり酒浸りになったり、家族に暴力をふるったり子どもを虐待したり、ほとんど口をきかなくなったり笑わなかったりと、その苦しみが子や孫にまで影響を与えていたということがわかってきたという内容でした。
兵士として無抵抗な民間人に対して残虐な殺戮行為などをした体験により、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症していたらしいということが、近年になってわかってきた家族の一人が、そのような体験を語る会を立ち上げ、今年6月集会を開いたら100人ほどが集まったそうです。
かつて、陸軍病院の院長も精神疾患を患う兵士の多さを体験していて、戦後話をしていたそうですが、近年の推測では、戦争中、精神疾患となった兵士は数十万人はいるのではないかとされたそうです。
陸軍は、終戦時にそういう記録も含めて多くの記録を焼却したため、まったく闇に葬られた事案ですが、アメリカのベトナム戦争の帰還兵でPTSDを患う人が多いことがわかっていますから、そういうことがこの国にもあったと考えることが妥当でしょう。

 人は人を殺すようには遺伝子は作られていないと私は思います。
その不文律を侵すと人は人でなくなると言いますか、人間性を失ってしまうのかなと思います。
恐ろしいことです。
恐ろしいことをごく普通に暮らしていた人に強要して追い詰めて、肉体ばかりではなく精神まで損なわせる。
つくづく戦争は嫌だと思う、終戦の日。
映画やテレビでは戦争時代を強くたくましく生き抜いた庶民の話などが多く語られますが、その陰には、たくましく生きることなんてでぎず、人間性を失い自分の子どもを愛することすらできずに、医学の未発達ということもあったでしょうが、精神の疾患としての治療も受けることができず、不遇の戦後を生きるしかばねのように生きた方々がいたという事実があったのだなと思いました。
戦争の犠牲となったたくさんの方々、ただただ、哀悼の意を表することしか私にはできません。

当地は台風の影響も少ないようで、朝から曇り空で今までの酷暑も和らぎ風も強く吹いてはいません。今日は静かに平和のありがたさをかみしめて過ごそうと思います。

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