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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

労使トラブル解決実務講座に出席する(2)

さて、昨日の続きです。


社員とのトラブルを抱えていた会社に、ある日突然ユニオンからの団体交渉の申し入れ、個別的労働紛争が集団的労働紛争へと変わってしまったのです。


ここで言うユニオンとは、企業内で結成された労組ではなく、企業の枠を飛び越え、横断的に労働者が加盟する労組のことです。地域ユニオンとか、女性、非正規雇用者、最近では管理職ユニオンなどというのもあり、1人でも加入できます。


企業側の代理人である弁護士さんが講師ですから、あくまでも企業側の立場での講義です。

まず、あわてず、騒がす、沈着冷静にということです。たいていは「要求書」のようなものを提出してきますから、まず主張、申し立て等について一字一句まで吟味します。Aと書いてあったらAではなくBではないか、Bと証明する根拠はあるか等、合理的に疑う作業をします。


この講師の方の著書によると、近年ユニオンと労働者が組んで「解雇権の濫用の濫用」とも言えるような、計画的に会社側が「解雇権の濫用」をするよう仕向けて、なにがしかの解決金を得ようとするという事例が多発しているそうです。


ですから、まず、このユニオンは労組としての資格要件を備えているのかというところから入るわけです。労働組合法では労働組合は、労働者が主体となって自主的に労働条件の維持改善、その他経済的地位の向上を目指す団体または連合団体とあります。


当然そのための交渉相手は使用者となるわけですが、ユニオンの代表者とは直接の雇用関係がありませんから、「要求書」を出してくるための事実関係、法的根拠などを求めるのです。もちろん、これらは文書による「回答書」で行いますから、根拠を求める場合も「ご教示ください」というような言葉遣いです。


ちなみに、わが国では労働組合を誰でも自由に結成できますし届出などもいりません。資格要件を問われるのは、労使トラブルの解決がつかず労働委員会に申し立てをする時です。(中央労働委員会参照)


また、資格要件で言えば個人加入のユニオンも当然労組として認められていますし、労働者にはどの労組に入るか選択の自由も認められています。


と、私は自分の勉強した範囲で思っていたのですが、労働組合法がユニオンなどのように企業の枠を超えた労組も保護の対象とするかは、まだ決着のついていない議論なのだそうです。ですから、企業側としては、当然、あなたたちは労組としての法的根拠がないんじゃないのとつくこともできるわけです。


他のテーマもたくさんあるため、この件についてはそれ以上の詳細な話はありませんでしたが、私が思うに、法律学的に決着がついていなくても現実には地域ユニオンは労組として認めるというのが大勢の考え方だと思います。ただ、前述のような法的根拠を求めることにより、自分達は法的根拠に基き合理的な話し合いをしたいという意思を表明するような効果はあると思いますし、時間稼ぎにもなりますよね。


要求についてはひとつひとつ○は事実に反します。というように淡々と否定していくわけです。


「要求書」には会社の「悪行」や経営者の「極悪非道ぶり」が書き連ねてあることが多いそうですが、ここで大切なのは、客観的な事実関係です。いつ、どこで、誰が、何をした、というようなことをしっかりと洗い出すことなのです。


そして、じっくりと時間をかける、あわてて要求を鵜呑みにするなどということのないように。回答書には、当面は書面のみでやりとりしたいというようなことも書き添えます。


うーん、なるほど。交渉ごとで大切なのは、やはり相手のペースには絶対乗らないということのようですね。


長年、企業側の代理人として様々な事例に当たってこられた方だからこその興味深いお話を聞くことができました。とても有意義なセミナーだったと思います。私も労組法について勉強してみようという気持ちになりました。



 

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