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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

もしも社員がストーカーになったら?警官ストーカー事件で考える(2)

昨日の判例は、社員の私生活上の非行について、受けた刑罰の程度や職務上の地位、会社に関係のない私生活の範囲内かということをポイントにして、懲戒解雇まではしなくてもいいでしょうという例でしたが、私生活上の非行が懲戒解雇となり得るとした判例もあります。


企業の経営に支障をきたしたり、社会的評価を大きく傷つけるような場合に、それらが、相当重大であると客観的に評価される場合には、懲戒解雇も認められるということのようです。


懲戒解雇を認めたものとして以下の判例があります。

電車内での痴漢行為を度々繰り返していた鉄道会社社員について、従事する職務に伴う倫理規範として、そのような行為を行ってはならない立場にあるとして懲戒解雇を認めた例、(小田急電鉄事件東京高裁判決平成15.12.11)


不法就労あっせん罪の有罪判決が確定した、私立中学校教諭について、「教師としての的確性を欠き、生徒に悪影響を与え、保護者の信頼と学園の名誉を失墜したこと」を理由とする普通解雇に合理性正当性があるとした例、(明治学園事件 福岡高裁判決平成14.12.13)


などがあります。昨日ご紹介した最高裁判例の中の反対意見というのは、先に挙げた私生活の範囲、刑罰の程度、職務上の地位などという基準ではなく、「犯罪の性質」すなわち破廉恥性を重視すべきというものでした。


この反対意見の影響か、強姦未遂致傷で起訴猶予、同僚の妻に対する強姦致傷など、相当破廉恥と思われる事案が懲戒解雇を有効としています。破廉恥性の強い非行はそれだけ企業の対外的信用や評価を傷つけるという判断だと思われます。


いずれにしても、懲戒解雇を行うためには就業規則にきちんと解雇理由が明記されていることが必要です。会社としてはより具体的にわかりやすく規程を整備することが重要です。ただし、以上の例でわかるように、刑法犯罪でも会社の名誉を著しく傷つけるなどの事案でないと、懲戒解雇が認められないケースもあるわけです。


解雇はなかなか簡単にはいかないというのが、裁判の一致した立場のようです。


〔昨日と今日の参考文献〕 別冊ジュリスト№134労働判例百選P142~143  


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