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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

続 偽装請負

今日は私と夫の○回目の結婚記念日です。


私たちが結婚式を挙げた頃、10月10日は「体育の日」で祝日でした。東京オリンピック以来10月10日は「晴れの特異日」(天気が晴れとなる可能性がとても高い日)として有名になりました。


○年前のその日も雲ひとつない大快晴でした。私たちはお肌もピチピチ、贅肉のかけらもなく若さいっぱいだったけれど、人生の何たるかもわかっていない愚か者でした。


さて、以前に「偽装請負」のことをちょっと書きましたが、もう一度問題点を整理してみたいと思います。

私は主に製造業での偽装請負を考えていましたが、IT産業でもかなり当たり前のようになっているとのことです。ただ、IT産業でSEとして働く方たちはそれなりのスキルのある方たちだと思うので、いろいろ問題はあってもそれなりの収入も得ているのではないかと思います。(収入だけの問題ではないのですが)


本来派遣という労働形態は、ある程度のスキルのある人が組織に属することなく自由に働けて、それなりの収入を得られるというメリットがあったはずです。いわば、スキルという武器で武装できていたし、本人も自ら望んでその労働形態を選んでいたのですから、正規雇用に比べて待遇面での多少の不利はさほど問題にならなかったと思います。


それが、景気低迷により企業が人件費削減のために本来正社員を使っていた仕事も派遣によってまかなうようになってから、だんだんおかしな方向にいってしまったように思います。企業は正規雇用より派遣社員を使った方がずっと負担が少ないという旨みがわかったんですね。


普通の会社が人を1人正規に雇用すると、労災保険、雇用保険、健康保険、厚生年金の企業負担分を負担しなければなりません。(労災については全額)、職種やその年度、健康保険の形態などで変わりますが、通常の事務系の会社では1人につき支払う給料のだいたい15%ぐらいの負担が生じます。派遣社員にしてしまえば、派遣元がそれを負担しますので誰でもやれる仕事なら派遣社員でもいいやということになるのでしょう。


平成15年にそれまで禁止されていた製造業の派遣が解禁になって、さらに問題が深刻化したと思います。偽装請負が報道されたのも大手の製造メーカーに関係する工場でした。


製造業の現場は普通のデスクワークに比べ業務災害が起きる可能性が高いと思われます。正規雇用の社員であれぱ、その会社が労災を始めとして、事故の報告、場合によっては作業環境の改善などの義務を負うことになります。


派遣社員の場合は、労災については派遣元に加入義務がありますが、報告や、作業環境の改善などの義務を負うことは同じです。自社で自社の指示のもとに労働者を働かせるわけですから、それなりの義務を負うわけです。


これが、もし「請負契約」で働いている労働者だとしたら、メーカー側は一切の責任を負わなくてすみます。請負とは仕事を完成してもらって引き渡してもらうだけの契約です。労働者については請負契約をした相手方の社員として自社に来てもらっているだけですから、責任が無いわけです。


ただ、「請負契約」であっても何らかの指示を出して働いてもらえばそれは「派遣」ということに法律上はなりますから、派遣契約における義務を負うべきなのですが、「請負だから知りません」というのが、「偽装請負」というわけです。事故が起きた時の対応が遅れたり、事故を隠したりする事例もあるようです。結局、泣くのは弱い立場の労働者ということになります。


厳しいリストラを迫られる企業側の事情というものもあるでしょうが、ルールは守っていただきたいと思います。法というものは社会全体を守る最後の砦なのです。それを自らに都合のいいように利用しようとする者は、砦の中に留まる資格はないと思います。


特に「偽装請負」の犠牲となっている労働者が、様々な事情で十分なスキルを身につけることができなかった若者が多いらしいので、同じ年頃の子を持つおばさんとしては胸が痛みます。こんなことを書いているだけで、何もできない自分も悲しいです。


今はとにかく勉強して、いつかきっと少しでもお役にたてるようになりたいなあと思っています。

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