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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

荒涼たる風景「雇用融解」番外編

19日に「雇用融解」という本について記事にしました。


その本には現代の雇用環境の闇の部分というか、負の部分がたくさん語られているのですが、その中で一時話題となった人材派遣会社の女性経営者に対するインタビュー記事も収録されています。


彼女はホワイトカラー・エグゼンプションに賛成し、労働基準法も労働基準監督署も不要だと語っています。

何故不要かというと、国が働き方をどうこうしろというのはナンセンス(何やらなつかしいような言葉ですね)で、個別の労使間の契約で決めればよいこと、民法で十分、1年以内でぱっと解決できるような裁判所を作ればいいという見解です。


民法で雇用についての条文は623条から631条までしかありません。いくら契約自由の原則があるとは言っても、立場の弱い労働者が不利益をこうむる可能性が高いために、労働基準法が特別法としてあるのだと思いますが、この経営者には、「労働省も労基署も労働基準法もいらない」もので、「1年以内でぱっと解決できるような裁判所」を作ればいいと考えているようです。


彼女はILO(国際労働機関)も後進国のもので、脱退してオリジナルなものを作っていくべきとしています。過労死は本人の責任で、休みたいとちゃんと自己主張して自己管理をしないからいけない、ということも語っています。


彼女にとって労働者側が拠り所とするものは全ていらないものということらしいです。彼女はこの世の中には自分の尺度だけで測れないものがあるという認識がないか、または、あってもそういうことを無視して平気でいられるタイプの人なのでしょう。


言論の自由がありますから自分の思うところを語るのは構わないのですが、かなり現状認識ができていないという印象を受けます。自分の会社でうまくいっていることが、世の中全ての会社に当てはまるわけではないという認識が足りないのでしょう。


こういうことを平気で公のインタビューで答えて悪びれない経営者が出てきたということもまた、私には荒涼たる風景に見えました。「フリーターの増加と少子化も関係ない、子どもを産むメリットがなければ全員が正社員になったって子どもを産まない」「産まないものは産まない。結婚したくない男女は結婚しない。経済的な問題は関係ない」「昔貧乏だったときでも子どもをばんばん産んでいたわけだから。それと非正規雇用を結びつけるのは全くナンセンス(彼女はナンセンスという言葉がお気に入りのようですね)」


この辺の言説までくるとかなり「??」感が強くなります。避妊というのもそれなりにコストがかかりますから、「貧乏人の子沢山」というのはある意味当然の帰結なのです。その陰で「間引き」と言われるような「子殺し」も相当数あったようですし、経済的に豊かであれば少なくとも「子殺し」はしないでしょう。


彼女の言説に強い違和感と寒々とした荒涼たる風景を感じました。というわけで、番外編として書いてみました。

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コメント


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こんにちは!
彼女は自分さえ良ければ他の人がどうなっても良いのでしょう。しかし結局は驕れる者久しからずとなるのではないでしょうか。

しろたぬき | URL | 2007年09月24日(Mon)15:36 [EDIT]


しろたぬきさん
こんにちわ。

企業の経営者は、社会全体に対する企業の責任というものを自覚していただきたいと思います。
労働政策審議会の委員をしているのも、ちょっとどうなのかなあと感じました。

おばさん社労士 | URL | 2007年09月24日(Mon)15:48 [EDIT]