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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

続続偽装請負

今日の朝日新聞に偽装請負について3人の有識者の意見が大きく取り上げられていました。


1人は地域ユニオン(職場に労働組合がない時などに1人でも加入できる労組、正規の労働組合として認められる)の委員長、あとの2人は大学の先生です。大変興味深い意見なので、概略を紹介したいと思います。



1.ユニオン委員長の話


偽装請負も問題だが、広義の意味での偽装請負ともいえるパートや正社員を請負契約に変えるケースも問題だ。仕事の内容や場所が変わらないのに、個人事業主扱いになるため雇用保険や健康保険を事業主が負担してくれない。労働者側は、文句を言えばやめされられるため声を上げられない。彼らは雇用を切られることが一番怖いから。


企業側には海外生産拠点との激しいコスト競争という事情があり、構造的問題だ。労働運動全体として取り組むとともに何らかの政策が必要だ。


2.某大学助教授の話

法律違反は論外だが、従来の正社員体制が余剰人員を抱えていただけかもしれない。しかし、そのひずみによる不利益が特定の若い世代(ここ10年ぐらいの新卒)に集中していることが問題だ。


バブル崩壊後導入された成果主義のため、中高年先輩社員も自分の成果をあげることに精一杯で、会社は若い社員を教育する余裕がなくなった。


そのため新規採用を控え、非正規雇用が増えた。米国流の真の成果主義はもっとドライで平等だ。若い人だけが割りをくうことなく、ベテラン社員でも必要がなくなれば切る。一時的にでも採用時の年齢制限を撤廃したり上級管理職の資質を厳しく問うなどの解決策が必要だ。



人件費の総額に限度があるなら、その限度の中で公平に負担を分かち合うべきだ。


3.某大学院教授の話


海外との競争の結果90年代後半より工場内請負は必要に迫られて発達した。労働者の安全配慮を怠ったり、社会保険に未加入などの業者は指導すべきだが、請負業者が雇用の受け皿になった側面もある。人件費に限界があるのだから、請負を否定しても正規雇用が増えるわけではない。


ただ派遣されるだけの「派遣」に比べ、メーカーの適切な指導があれば、請負会社が技術力や生産性を高めることもできる。むしろ労働者保護などの一定の条件を満たした業者には、法の適用をはずすぐらいの規制緩和をした方が現実的だ。


若年労働者が正社員になれないのは問題だが、偽装請負をなくせば解決できるものでもない。正社員の既得権益を見直し、技術力や生産性の高い労働者にはきちんと処遇するシステムを作るべきだ。


私としては1.、2.の意見には賛同しますが、3の意見には一部は賛同できますが、一部賛同できないところもあります。3.の意見が一番現実の現場の企業の言い分に近いのでしょうが、やはり今ある法律は最低限守っていただきたいと思います。それが現実にそぐわないというのであれば、変えることは可能なのですから。


法律というのは、社会全体の多くを占める弱者のためにあると思います。強者がその立場を利用して弱者の人権を抑圧したり、弱者から搾取しすぎることのないように規制するためにあると思います。


将来のある若い人が企業の利益を上げる為にのみ犠牲になっているとしたら、そんな社会はおかしいですよね。前述の3人の方もおっしゃっているように、早急に解決のための政策が実現されることを祈らずにはいられません。


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