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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

元アイドル解雇処分 解雇について考える(2)

昨日の続きです。解雇についてもう少し詳しく見てみましょう。


解雇が認められる「合理的理由」にはどのようなものがあるかということですが、4つに大別できるとされています。(菅野 労働法第7版P421)


①労働者の労務提供の不能や労働能力または的確性の欠如、喪失。傷病や治癒後の障害等により、仕事ができなくなった場合や、勤務成績が著しく不良な場合、重要な経歴詐称などによる信頼関係の喪失なども含まれます。


傷病等による労働能力の不足については、従前の仕事ができなくても、労働者がそれを望み、会社側も軽易な労働のポストが用意できるなら、解雇すべきではないとする判例もあります。特に、職種を限定しないで採用した場合などは、会社側ができるだけ解雇を避けて勤務が継続できるように配慮することが求められます。(片山組事件過去記事参照)


また、成績不良等に関しても、会社側がどの程度指導したか、配転、降格などできるだけ解雇を回避することが求められます。(東京地裁判昭和52.3.31加藤製作所事件、大阪地裁判平成14..3.22森下仁丹事件)


判例は概して使用者側に厳しく、「雇用を維持するための努力」を具体的に求めたりします。(東京地裁判平成11.10.15セガエンタープライゼス事件)

②としては、労働者の規律違反行為です。会社に重大な損害を与えるとか、社会的に不名誉な事件を起こすとか、会社の服務規律に違反するなどの場合です。著しい場合には、普通解雇ではなく、懲戒解雇となる場合もあります。


③経営上に必要ないわゆる整理解雇と言われる人員削減による解雇。これも4要件と言われる判例法理が確立されていて、厳しく要件を問われます。


④ユニオンショップ協定に基く組合の解雇要求(当ブログ過去記事参照)


以上4つが解雇の合理的理由とされます。


さて、懲戒解雇と普通解雇との違いですが、通常は「懲戒解雇」の場合は解雇予告も予告手当てもなく即時に解雇され、会社の退職金規程に明記されていれば、退職金も支給されません。また、「懲戒」とつくことにより、再就職の妨げにもなるでしょうし、労働者にとっては制裁的意味合いの強い、不名誉なものです。


そのような不利益を労働者に与えるわけですから、懲戒解雇の場合は普通解雇よりもさらにはっきりとした合理的な理由が必要です。就業規則にきちんと限定的に列挙されていて、労働者に対する周知義務も果たされていることが必要です。


また、過去の事例に照らして公平性があるか、労働者にきちんと弁明の機会を与えたかなどということも問題となります。


今回の元アイドルの場合は「懲戒解雇」やむなしかなとも思いますが、逮捕された当日の会社の発表で、本人の弁明などは何も聞いてはいないようですね。現行犯逮捕ですから弁明の余地はないかもしれませんが。就業規則などはどうなっているのかなあと、ちょっと興味のあるところです。


懲戒解雇にはならなくても、解雇予告手当てを払う必要のない「労働者の責めに帰すべき事由」による解雇には当然なりますね。その場合は理由について、労働基準監督署の認定が必要です。


いずれにしても、解雇は労働者の生活を脅かす重大な問題です。使用者側は就業規則の整備、周知の徹底を図り、解雇する場合にも「合理的な理由の立証」ができるかを考えて行わなければなりません。


労働者側は、納得できない場合は各県の労働相談窓口(労働相談コーナー労働条件相談センター )、社会保険労務士会などにご相談ください。


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一語で検索 2007年11月01日(Thu) 22:18